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近衛予備隊-18 [高校生バトル-44]

 新隊員の女子たちは何かと理由を付け俺と話したがったが、それは俺が彼女達にとって兄的存在だからだとシャルロットは言う。
 格好良い隊長に憧れてのことだから適度に相手をしてあげれば良いとも。
 自分が憧れられていると言うのは妙な気分だが…。

「ジョン、隊長服が似合い過ぎて、また女子のファンが増えてしまいそうね。」
「そ、そうか、ルーシーの副隊長服姿も、大人びていて恰好良いよ。」
「好きになった?」
「はは、元から嫌いじゃない、ただ、ルーシーは車椅子でも何だって出来るのだから、シャルロットのいる俺ではない彼氏を見つけなよ。」
「何だって出来るか…、教官から、自分に出来ないことを思い悩むより自分に出来ることを見つけトレーニングしようと言われてから、やれないと思い込んでいたことが少し頑張れば出来ることに気付いて…、私、変わったよね。」
「ああ、明るくなったし頼もしくなった、教官が副隊長に任命したいと言った時、誰もが賛成しただろ。」
「うん、私、色々諦めていたのだけど…、ジョン、友達以上恋人未満ぐらいで良いから、これからも仲良くしてね、シャルロットは許してくれたのだけど。」
「親友と言うことだろ、それなら問題ないさ。」
「なら、この後の写真撮影、隊長の両隣はシャルロットと私だからね。」
「はいはい、だが、シャルロットの制服は間に合ったのかな?」
「特別に彼女の分だけ先に仕上げたそうよ。
 新人が行進の練習を始めるのはプリンセスがこの地を離れてからで随分先の予定だけど、教官は彼女を予備隊の写真に入れれば写真の売り上げが伸びると考えていて、隊長とのツーショットも考えてたわよ、第一部隊の写真はそれなりに売れてるそうだけど、売り上げで追い越すと息巻いていてね。
 第二部隊とは、ほぼ同時に発売開始となるから更に負けられないのよね。」
「隊の運営費に充てられるのだからな、今までの俺達は何の利益も出していないのに給料を貰い教育を受けさせて貰って来た、そう考えると沢山売れて欲しいけど、売れるのかな…。」
「売れるわよ、ジョンのファンは多くて、みんなシャルロットに遠慮して大人しくしてるけど、もし彼女が他の男と、何てことになったらどうなることか。」
「考えたくもないね。」
「教官はジョンとシャルロットがどんな感じで仲良くなり、私と仲良くなった過程を含め、さりげなく流すことで売り上げを伸ばすと、そこにストーリーが有ると写真の価値が飛躍的に高まると話してたわ。」
「知ることで親しみが倍になると言う、あの理論だな。
 しかし教官はそんな話を誰から聞いたのだ?」
「私が話さなくても、皆が知ってることだからね、隊員たちとの雑談で出て来る話はとても参考になってるそうよ。」
「そうか…、教官達は隊員のくだらない話にも付き合ってくれる、単に暇だからだと思っていたが大切なことなのかもな。」
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