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近衛予備隊-14 [高校生バトル-44]

 エスカレーターやエレベーターの存在は第一部隊が彼らの店を案内する映像で見たので知ってはいたが実際に動いているのを見るのは初めて、そう言えば動く階段を見て驚いた農業チームには時間の関係でその映像を見せて無かったかも知れない。
 エスカレーターで二階へ上がる連中とは離れ、俺とルーシーはエレベーターに向かう。
 エレベーターの使い方は第一部隊の映像を見て理解していたが、始めて使う人を意識した分かり易い説明書きが有って問題なく乗れ、自分でボタンを押すことの出来たルーシーは満足そうだった。

「この建物の中なら、誰の手を借りなくても移動出来るみたいだわ。」
「嬉しいか?」
「勿論よ、何時もジョンが近くに居てくれる訳ではないもの。
 この店にも第一部隊が紹介してくれた店と同じ様に沢山の商品が並ぶのね、あの店と同じ様に多くの来客が有れば良いのだけど。」
「そうならないとやばいと聞いてるが、教官は大丈夫だと自信有り気だったな。」
「信じられないくらいのお金が掛かっているのよね、それを店の売り上げで返して行く、私達はその原動力になるのだと聞いても、まだピンと来ないわ。」
「店が始まってみないとな。」

 二階で皆と合流し教官の話を聞く。

「どうだ我々の店は?」
「凄く広いですがここに商品が並ぶのですか?」
「ああ、食品、日用品から衣服、家具と様々な物がね、その多くはこの国で売られていない輸入品が中心になる、お金に余裕の有る人達や周辺諸国の人達が遠くからでも買いに来てくれるだろう。
 中途半端な広さでは、わざわざ遠くから来る気には成らないだろうが、この広さなら店内を回るだけでも楽しいし、今後は娯楽施設も充実させて行く予定、プリンセス詩織の滞在中は近衛隊のパフォーマンスも見られるしな。」
「我々予備隊の行進もです。」
「ああ、第一、第二部隊は準備日程の関係でプリンセスと近衛隊を送り出す儀式でのデビューだが、第三部隊は、プリンセス達を歓迎する式典でデビューし、そのまま活躍して貰う、お客さんに喜んで貰えると期待してるぞ。」
「ここは何時頃完成するのですか?」
「建物は完成していて棚の搬入が完了したら商品の搬入が始まる、周辺の整備はまもなく終了だが客の動線を見ながら完成度を上げて行くことになっていて、暫くは客の流れを見ながら直して行くと言う感じだな。」
「プリンセス詩織がいらっしゃる一か月前に仮のオープンだから、時間はあまり有りませんよね。」
「その通り、これからの実習はより実践的なものになるから、このままここで働きたい者は特に気合を入れてくれな、仕事ぶりによっては昇給も有るぞ。」
「農業チームの俺には関係ないかな。」
「いやいや、全員に店内業務を体験して貰うから油断しないで身だしなみに気を付けてくれよ。」
「こいつ、算数ダメダメだけど大丈夫ですか?」
「ああ、掛け算はダメでも数は数えられるから問題ない、そう言うシステムだからな。」
「でも、お釣りとか間違えそうですよ。」
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