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近衛予備隊-12 [高校生バトル-44]

 点呼を終えると担当教官が目の前の建物について説明を始めた。
 なんと、その綺麗な建物はトイレだと言う。
 そして男女に分かれて使い方の説明を受けた。
 個室には絵を交えた説明書きが張って有るが、ボタンを押すだけでお尻を洗ってくれるトイレなんて始めてで、教えられなかったらボタンを押すのをためらったと思う。

「ここはお客さん向けなのだが、皆には積極的に使って貰いたい。
 ただ、店の従業員にもお願いしているのだが、出来れば個室は用が無くても汚れてないか確認して欲しい、汚れていたら直ぐに掃除したいからだ。」
「汚れていた時の掃除道具は?」
「この扉を開ければ有るが、自分で掃除しなくても担当者に連絡してくれれば良い、この受話器を取れば担当部署に繋がるので、近衛予備隊の誰々と名乗り男子用の何番が汚れていると伝えてくれ。」
「こんなに綺麗ですから汚したくないですね、お客さんにも使い方の説明をするのですか?」
「オープンまでに絵を使った使い方説明は改良版に張り直すし、トイレ前にモニターを設置して使い方を説明する映像を流す予定だ、ここでは慣れない人ばかりだからな。」
「ですよね、でも流したものは川を汚しませんか?」
「いや、下水処理施設が有るし、トイレに関しては堆肥にするシステムになっているんだ。
 このシステムそのものも販売対象で詳しく説明されているサイトが有るから、ジョンが確認して興味の有る連中に見せてやってくれないか、SHIORI、トイレで検索すれば出て来る筈だ。」
「分かりました、会社のサイトなのですね。」
「ああ、君達も家にシャワートイレを設置することを一つの目標に頑張って欲しいかな。」
「高額ですよね?」
「今の君達にとってはね。
 でも一回設置してしまえばそんなに故障する物ではないんだ、ジョンの可愛い彼女にも喜んで貰えると思うぞ。」
「ですよね。」
「次はシャワールームへ行くぞ。」
「シャワーも使わせて貰えるのですか?」
「汗臭かったら彼女に嫌われるだろ?」
「教官、シャルロットはそれぐらいのことでジョンを嫌ったりしませんよ、教官の彼女はそんなことで怒ったりするのですか?」
「い、いや、それは無いと思うが日頃から身だしなみに気を付けることは大切なんだ、それによって詩織近衛予備隊のイメージが変わることになるからな。
 接客をしない部署でも詩織近衛予備隊の一員として自覚を持ち、身だしなみに気を付けて欲しい、予備隊のイメージを良くするも悪くするもお前たち次第、私達は隊のイメージを損なうメンバーを必要としていないと言うことだけは忘れないでくれ。」
「分かりました、接客をする部署での実習となったら必須と言う事ですね。
 トイレがこんなに綺麗なのに自分達が清潔で無かったら恥ずかしいです。」
「だろ、綺麗なトイレと言うことには色々な意味が有るんだ、会社のサイトで説明してるから見といてな。」
「分かりました、ジョン、頼むね。」
「ああ、しかしトイレについて学ぶことになるとは思ってなかったな。」
「確かに。」
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