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近衛予備隊-11 [高校生バトル-44]

 隣村の施設が有る程度出来上がり、俺達は完成前だが見学させて貰えることになった。
 三つのグループに分かれ、日を変えての訪問。
 これから隣村での実習が増えることになっているが、隣村へはお客さんを運ぶバスに乗せて貰えることになっていて、今回はそのバス乗車を体験する機会でも有る。
 隣村の中心地までは歩いて一時間も掛からないので、ルーシーは兎も角自分には必要ないと思っていたが、実際に乗ってみると快適で、バスの窓から見る風景と言うのも悪くない。
 隣村に入った所で大きな建物が見えて来た。
 
「うおっ、あれは何だ?」
「でかい建物だろ、あれが店なんだよ。」
「町にもあんなの無いよな、中はどうなってる?」
「俺達も農作業実習に行く度に近くまで行くのだけど中は見せて貰えてないんだ、でも今日は見せて貰えるらしいぞ。」
「私達の接客実習はあそこでするのね。」
「建物の中には従業員の為の施設も有って、俺達も使わせて貰えるそうだよ。」
「私達も研修中とは言え従業員なのだから当然、あなたも従業員としての自覚を持ちなさいよ、給料を貰ってるでしょ。」
「うん、農業実習の時にも言われてる。」
「農作業実習の日はバスで通ってるの?」
「いや、今日が始めてなんだ、バスの運行は始まったばかりでね。
 店が始まったら、お客さんの多い時間帯は乗っちゃだめだからな。」
「当たり前でしょ、お客さんの為のバスだから、私達は乗車料金を払わなくても良いけど、お客さんは運賃を払って利用するのだからね。」
「そうなのよね、私は特に気をつけなきゃ、乗る時は皆を待たせてしまって御免ね。」
「ルーシー、気にするなよ、俺達が手伝うし慣れれば簡単だと思う、でもバスに車椅子用のスペースが有るとは思わなかったな。」

 バスは中古だから、車椅子スペースの使い方もバスによって微妙な違いが有るそうだ。
 今日は始めててで少し戸惑ったが、直ぐに慣れると思う。
 バスを降りたのは店の隣に位置する広場、まだ工事中の所が多く完成したらどうなるのか分からない。
 教官の指示で、整列の号令を掛けたのは一階建ての綺麗な建物の前。
 整列して点呼、その報告は俺が受ける、そう、俺は隊長に任命されたのだ。
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