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近衛予備隊-02 [高校生バトル-43]

 皆がどう思ったのかは分からないが、直ぐに帰る奴はいなかった。
 メアリーと名乗った女性兵士は、持参して来た道具を使い大きく映し出された写真を見せながら説明してくれた。
 それによると、近衛隊はプリンセス詩織の護衛をするが軍人では無く武器は持たないとのこと、ただ近衛兵と呼ばれることは普通、銃を持たず戦わない兵士と考えれば良いそうだ。
 そう言われても良く分からなかったが、良く分からない兵士だと言うことだけは分かった。
 説明は三十分程で一旦終わり、取り敢えず、詩織近衛予備隊は制服を着て儀式で行進などのパフォーマンスを披露すること、その為の訓練と学習に取り組むこと、訓練時から給料が貰えることなどが分かった。

「短い時間では説明しきれないから、この後質問に応えるし、明日以降も来ます。
 現時点で詩織近衛予備隊への入隊を希望する人は案内を持ち帰り家の人に見て貰って、明日にでも入隊申込書を提出して下さい。
 面接をした後、入隊の決定をしますが能力が低いと自覚してる人でも真面目で有れば入隊出来ますので遠慮せずに申し込んで下さいね。」

 まだ良く分かって無かったが、みんな入隊を考えていると思う、何と言っても給料が貰えることが大きい。
 この村で採れる農作物は高値では売れず、若者は町へ働きに出るのが普通。
 自分も来年か…、でも、シャルロットと離れるのは…。
 給料…、十四歳にとっては充分な額だと思うが…、それだけ訓練が厳しいのだろうか…。

「では皆の質問に答えていくわね、ここまでの話を聞いて、どう?」
「メアリー、この子みたいに足が悪くて行進の出来ない子の入隊はダメなのですか?」
「問題無いと言うか是非入隊して欲しいわ。
 プリンセス詩織はハンディを持つ人でも健康で文化的な生活を送られることを願っていらしてね。
 彼女に出来ることを見つけることは難しく無いでしょう。
 成績に関係なく学習に対して真面目に取り組んでくれる人なら給料も普通に支払われますよ。」
「ルーシーは真面目で努力家だから俺からもお願いしたいが…、その…、俺達が金になるかどうか分からないのに給料をくれると言うのは?」
「勿論みんなには色々な形で働いて貰うわよ、行進などのパフォーマンスで観光客を増やして貰うことを考えているのだけど、それだけでなくね。
 ルーシーだって座って出来る作業なら出来るでしょ。」
「勿論さ、足の悪いことを気にして人一倍努力してるからな。」
「あなたはルーシーの手助けをすることも有るの?」
「勿論さ、俺だけじゃないよ。」
「あら、あなた達って素敵なのね、皆さんが詩織近衛予備隊の仲間になってくれたらプリンセス詩織も喜んで下さると思うわ。」
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