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バトル-420 [高校生バトル-42]

「とうとうこの村ともお別れね…。」
「雅は何か心残りでも有るのか?」
「長期滞在すると愛着が湧くものよ、村人達とも随分交流したし、時間は長くなかったけど近衛予備隊の子達ともね。
 心残りとしては、詩織の謎が解明の糸口さえ見えてないことかな。
 このまま奇跡として世界的に認知されたらそれはそれで嬉しいことだけど。」
「次の滞在地でも野鳥に囲まれてくれると良いのだが。」
「それは大丈夫、詩織と調べたのだけど野鳥の種類はここと大きくは違わないみたいなの。
 もし向こうの村で野鳥が寄って来ない様なら、それが謎を解明するヒントになるのかな…。」
「野鳥に関する調査は始まってるのだろ?」
「詩織が村に滞在することによって野鳥の数が増えるのかどうかを確認したかったから、詩織の到着前に個体数の調査を進めておきたかったのだけど時間的に無理でね、せめてもと言うことで野鳥観察会を開くことにしたの、そしたら面白いことになってさ。」
「面白い事?」
「参加者を正式募集する前から多くの問い合わせが来てね。
 この村同様、店をオープンさせ観光地化を目論んでる村だから、野鳥観察が観光の目玉になるのも有りと言うことで準備を進めているのよ。」
「詩織の滞在中に何度も村を訪れそうな、生活に余裕の有る人達という事か?」
「何度もでは無く、詩織の滞在中ずっと村で暮らしたい人、そんな人達からの問い合わせが世界中から来てるのよ。
 うちのホテルは予約で一杯だから急遽キャンプ場の整備を前倒ししてね、簡易的なものながら長期滞在を意識した施設を充実させる予定なの。
 野鳥観察と宿泊プランの提示を開始、詩織が森でくつろぐ姿を見学するチケット込みのオークション形式での販売にしてね。」
「希望者が多いだろうな。」
「と思う、でも、詩織は暇じゃないし人が多過ぎるのも何だから回数と人数を限定、鳥との戯れを見られなかったら返金するのだとか。」
「オークションで得られた収益の使途は公表するのか?」
「うん、近衛予備隊の予算に組み込むことになったわ、子ども達の為に使われるのならオークションで高値を付ける可能性が高くなるでしょ。」
「かもな、詩織近衛予備隊の展開も活動の柱となって行きそうなのだろ。」
「ええ、詩織の滞在地として観光地化を進めてる村ごとで進めているのだけど、予算が増えればより充実した活動が出来るわね。」
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