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バトル-415 [高校生バトル-42]

「お兄さま、詩織の奇跡、聞きました?」
「聞いた聞いた!
 雅は撮影現場にいたのだろ、奇跡なのか奇跡的出来事なのかどっちなんだ?」
「舞い上がってるスタッフばかりの中、冷静に調査が必要だと話してた人も信じられないを連発、今後の調査で何か理由が見つかるかもだけど、野鳥たちが詩織の手や肩に乗って挨拶してる様に見えたのだからね。
 可能性としては詩織の衣装が野鳥に何らかの影響を与えたと言うことぐらい。
 直ぐ専門家に映像を見て貰って鳥たちのことは少し分かったのだけど、専門家曰く、普通では絶対有り得ないことだそうで、どんなトリックを使ったのか聞かれたそうよ、餌付けして無いことは映像でも見て取れてね。」
「詩織の衣装に関して問い合わせても良いが、特別な素材だとは聞いてない、映像を早く見たいのだな。」
「そうね、どうせなら大きなモニターで、スタッフにお願いして来るわ。」

「お兄さま、映像が始まったよ。」
「ああ。
 おっ、綺麗に撮れてる、詩織の女神っぽい衣装、似合ってるね。」
「この湖畔は観光客向けのキャンプ場整備を計画してる所なのだけど、なかなかの雰囲気でしょ。」
「泳いだり出来るのか?」
「その辺りは調査中でね、綺麗なのだけど不便な所だったから遊びで訪れる人が少なかったの。
 村までの道が良くなって、後少しの整備で簡単に行ける様になるのだけどね。」
「衣装が森の緑や湖水に映えるてるね。」
「うん、撮影スタッフの気合が伝わって来るよね。
 あっ、来た来た、綺麗な鳥でしょ。」
「遠江王国では見掛けない鳥だな。」
「今日出会ったのは名前を知らない鳥ばかり、遠江での野鳥観察で名前を知ることの意味を教えて貰ったのを思い出したわ。」
「名前を知ることで、より身近な存在と感じられるのだったな。」
「うん、ほら、詩織に挨拶してるみたいでしょ。」
「確かに…。」
「餌付けに成功していれば寄って来てもおかしくないそうだけど、鳥類の専門家でさえ、こんなシーンは見たことが無いと話してたの、これが撮影を何時切り上げるか迷う程に続いたのよ。」
「しばらく、詩織の肩や手に止まったら交代するのか…。」
「鳥の種類に気付いた?」
「色々な種類の鳥が来てるね。」
「相手が猛禽類でない場合、種類に関係なく近くにいることは珍しく無いのだって。
 でも、詩織に対する態度は同じでしょ。」
「とてもフレンドリーに見えるが、撮影チームや雅は近くにいたのだろ?」
「構図の関係ですぐ近くでは無かったのだけど、それなりの人数がいたのにね、鳥達が危険だと感じる距離ぎりぎりだったのかな。」
「しかし…、鳥と戯れる詩織の表情が慈愛に溢れていて…。」
「スタッフ達も涙を流して感動してたの、詩織に絡む鳥たちの姿も愛らしいでしょ。」
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