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バトル-383 [高校生バトル-39]

「詩織の悩みはそれだけなのか?」
「悩みと言う程ではないです、今の状況から更に上を目指すとしたら、暫くそう言った話は封印ですね。」
「それで良いのか、詩織が無理をしてるのであれば今の役職から降りても良いと思うのだが。」
「今は毎日が充実していますので問題ないです。
 姫扱いから女神に寄りつつ有りますが、そんな経験はなかなか出来ることでは無いと思いません?」
「確かに稀有だとは思う。」
「いずれ化けの皮が剥がされ、ただの人になるでしょう。
 でも、私が遠江大学での研究テーマに選んだのは人の心理、そこに宗教を絡めることで面白い論文が書けそうなのです。」
「確かに面白いテーマかもな、だがもう少し女の子としての楽しみを見つけることを考えて良いと思うぞ。」
「女の子としての楽しみでは有りませんが、各国から集まってくれた近衛隊のメンバーと話し合うのはとても楽しいです。
 同じ宗教を信仰している人でも宗派によって考え方が異なっていることも有ります。
 他社を蹴落としてでも売り上げを伸ばすと言う自由主義社会の企業では当たり前のことと、宗教上の教えとの整合性をみんなで考えてみたりするのが私にとっては娯楽なのですよ。」
「多国籍で宗教も異なる男女だから、半端なく多様な考えを聞くことが出来そうだな。」
「はい、時には意見の対立も有ります。
 ただ、皆さんは私達の考えに賛同して下さっている方々ですので、語り合っている内に信仰に関する考え方がまとまって来まして。
 日本では神道と仏教が共存して来たと話すと一様に驚かれるのですが、そこから自身の信仰している宗教とは異なる教えが有っても良いのではないかと言う方向になっているのです。
 多国籍の近衛隊が一つに成れる教えとして、私達の考えをまとめ直し宗教や国境を越えた一つの拠り所に出来ないかと。」
「既存の宗教を尊重しつつと言うことだよな?」
「はい、近衛兵達は互いに他者の宗教を尊重しています。
 新たな教えと彼らの宗教では矛盾する教義が存在するかも知れませんが、私達の考えは現代社会を科学的に考察して作り上げて来たものではないですか。
 勿論、富める国と途上国の差も有りますので簡単に受け入れられない人も少なくないとは思います。
 それでも、これから更に拡大して行く近衛隊の理念として広く伝えて行く事はプラスになるのではと考えています。」
「社会的弱者に手を差し伸べて行くと言う考えに反対する宗教は少ないだろうからな。
 そうなると、詩織は女神さまと言うより教祖さまか。」
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