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バトル-315 [高校生バトル-32]

「詩織、雅にチーム詩織脳内システムを見せて貰ったが凄く進化したものだね。」
「もしかして私がお兄さまに紹介して以来ですか?」
「うん、前に見たのは中学生だけで構成されていた頃だったかな。」
「あの頃は英語のメールを送るだけでも苦労していました。
 受け取ったメールに対して誰が対応するのかと言った基本的なことでもシステムが出来てなくて。」
「今はあの頃とは比べ物にならない量のメールに対応してるのだろ?」
「経験が蓄積された結果、余裕でこなしています、似た様な内容のメールが多いですから定型文で済ます場合も有りますし、内容が上手に表現されてるタイトルならば返信が早いと理解されていますので、タイトルをパソコンで読み取っての分類がスムーズに行えています。
 タイトルに関する約束を告知した後、敢えて良く分からないタイトルのメールに対する返信を大きく遅らせた成果です。」
「今もメールに対する返信は中学生が行っているの?」
「はい、送信前のチエックも中学生が担当しています、内容によっては高校生や大人が返信していますが、私が返信するのはほんの僅かです。」
「一応、詩織宛のメールなのだろ、リアル詩織宛のメールは来ないのか?」
「ファンレターが来ますがそれには各種宣伝を添えた定型文で応じて貰っています。
 チーム詩織の存在を認知した上でメールを送って来てるのだろうと考えまして。」
「チーム詩織脳内システムで行っていることが増え、他が大変だものな。」
「ですね、チーム詩織としての作業が増え、それに伴い脳も拡大しました、ただ、その過程で特に初期メンバーは成長したと思います。」
「実感してる?」
「ええ、当初は日本語での意見交換もままならなかったのですが、脳の思考システムが確立されると共に、例えば当初は分かりにくい文章や誤字も見受けられました。
 それが出た案の整理作業を繰り返す内に、皆が簡潔で分かり易い文章を書ける様になったのは大きかったです。
 後から参加した人達もそれに倣って書いてくれています。」
「出た案を整理しながら検討を進めてるのだったね。」
「はい、急ぐ案件はほとんど有りませんので人数が増えた今も同じ様に処理しています。
 一人で考える何倍もの案が出て来るのですが整理されるのに時間は掛からず、整理の過程で結論が見えて来ることもあるのですよ。」
「専門家達も同様に?」
「皆の学習を考え、一般の担当メンバーよりワンテンポ遅らせての提案をお願いしています。
 ただ、専門家でも一般からの案を見て考え直すことが有るそうで、専門家なりに視野を広げることに繋がっているのだとか。
 時には他分野の専門家が閲覧して全く違った角度からの提案をして下さることも有りまして、一郎兄さまや父はこのシステム、データバンク機能も含めたシステムを強化し遠江大学のシステムなどにも応用して行きたいと話しています。」
「上手く行くと良いね。
 でも、詩織の様な存在が居ないと充分に機能しないかな。
 チーム詩織は核に詩織がいて成り立っているだろ?」
「確かに微妙ですね、組織論の先生は奇跡的な組織だと話しておられました。
 私もチーム詩織のスタート時から組織と言うものを考えて来たのですが、皆で一つの人格を演じようと言う試みは今まで無かったみたいで、このままバーチャル人格が成長を続けられたら更に面白くなると思っています。
 メンバーの皆さんも、このまま成長拡大を目指して行こうと話して下さいまして。」
「政治経済を始めあらゆる分野のエキスパートをメンバーに持つバーチャル人格、株式会社SHIORIが大会社になる日はそんなに遠くないかもな。」
「直ぐには無理ですが脳の一部は壮大な夢を描いていましてね、個人にもコンピューターにも出来ないことが私達になら出来るだろうと。」
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