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バトル-314 [高校生バトル-32]

「なあ雅、詩織はどうしてあそこまで多くの人に信頼されているのかな?」
「そうね、まずはチーム詩織結成の頃に話した内容かな。
 詩織はね、私達は社会的にはまだ子どもだけど、間違いなく社会の一員で有り明日を担う立場、だったら大人と同じ様に考え行動しても良いと、大人扱いされたいのが中学生なのだから、その為にはとね。」
「大人扱いされたかったら大人扱いされるだけの行動をしようってことか?」
「そんなとこ、他に自分の考えやチーム詩織の目指すとことか、それまで義兄弟姉妹の一員として学んで来たことを含めて伝えたの。
 それを聞いた人達は、是非バーチャルな詩織を演じてみたいとなってね。」
「演じているんだ。」
「皆が詩織を演じているから、個人的な解釈の差は多少有っても大筋は一つの人格として成り立ってるのよ。」
「なるほどね、それでも詩織とは学力、特に英語の力では差の有る人が大勢いたのではないか?」
「そこは互いに協力し合って来たからね、英語の成績にどの程度反映されているのかは分からないけど、皆の英語力は確実に上がってると思うわ。」
「まあ、英語を使う機会が増えたのだから自然なことだな。
 メンバー間のトラブルは今までどうだった?」
「みんなが詩織を演じてるのよ、誰一人として詩織が喧嘩してる所を見て無いし、トラブル回避の考え方も詩織が示してて、詩織が核だから成立してる組織なのよチーム詩織と言うバーチャルな人格はね。
 元々真面目な人の集まりなのだけど、それはメンバーが増えても年齢層が広がっても変わってないわ、まあ、年齢詐称だけは許してあげてね。」
「はは、大人達も高校一年生のフリをしてるのだな。」
「リアル詩織の情報は沢山流れてるでしょ、チーム詩織のメンバーはそれを見ながら色々考えてるのよ。
 服装もね、詩織は比較的大人びた服を好むからマシなのだけど、もし詩織が派手好きだったら困った大人が増えてたかも。
 詩織の脳になる時には服装にも拘る人が結構いるのよ。」
「チーム詩織メンバーは表に出ないことになってるが、皆が集まったらどんな感じなのか見てみたくもあるな。」
「見ない方が良いと思うわよ、大人びたとは言え高校一年生が着る様な服を大人が着てたらコスプレでしかないでしょ、中には高校の制服に似せたのを自作した人もいるのだから。」
「それは雅も見たのか?」
「服だけね。
 作った人を知ってるから、着てるとこを想像しただけで笑ってしまって…。」
「まあ、そんなことも楽しんで貰えたら良いじゃないか。」
「悪くは無いのだけど…、ねえお兄さま、チーム詩織は全員が詩織の考えに賛同しているでしょ、それを宗教団体みたいだと揶揄する人がいるのだけどどう思う?」
「気にしなくて良いだろ、宗教色は無いしメンバーから寄付を募っている訳でもない。
 まあ、詩織を教祖様に祀り上げても構わないが海外の人達に誤解されてもな。」
「でもYouTubeに詩織が登場する度に向こうでは凄く盛り上がるよね、既に教祖さまと思われていたりして。」
「う~ん…、教祖と言うより女神さま扱いかもな。」
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