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バトル-298 [高校生バトル-30]

「事業拡大は出来そうなの?」
「案は出ていまして、向こうでも試し始めています。
 脱プラスチックを強調し木製のガーデニングアイテムを作って貰っているのですが、材料費はあまり掛からないので、加工技術が上がれば利益率を高目に設定出来そうです。
 腐らない加工を施すか、朽ちたら土に還ると言う前提で商品化を進めるのかは検討中なのですが、輸入品目を増やすことが出来れば売り上げアップに繋がるかと。」
「プラスチック製よりは割高になるにしても需要は有るのね。」
「はい、遠江王国での調査では木製に対する好感度は高いです。
 ただ木製と言っても、日本製では割高に、向こうで手に入る木材では安っぽくなってしまうかもと、その辺りを見極めての製品化を考えています。」
「具体的には?」
「丸太をくり抜いたプランターや花壇を囲う柵はデザインの案をこちらから送りました。
 こちらの農業公園で使う事も意識していますが、工事が始まった向こうの農業公園でも使ったり販売したり、エリート層の庭園でも使って貰えるレベルを目指しています。」
「ある程度の雇用拡大は見込めそうなのね。」
「そこは微妙です、どれぐらいの量が売れるのか今までの調査だけでは判断出来ません。
 向こうの技術レベルが上がっても使える木材の質は変わりません、良質な木材を送って加工して貰っていては利益率が下がってしまいます。」
「安い木材を使った商品をホームセンターで扱って貰うとか販路を広げられると良いのにね。
 新規参入ではハードルが高いのかしら?」
「まだ農業公園や遠江王国内のお店で販売して貰う程度の輸入量、販売を始めたばかりですので、しばらくはアルトバル国製をアピールすることである程度売れるとは思うのですが、輸入量を増やしながら販売ルートの増強と言うのはバランスが難しいかも知れません。」
「そうね…、まずは扱い易い小物を中心に輸入量を増やしましょうか、腐るものでなければ売れるまでに多少時間が掛かっても何とかなるでしょう、学生社員の営業研修として商店への売り込みを考えても良いわね。」
「倉庫の当ては有るのですか?」
「確認しておくわ、先日、不良在庫の処分に成功させ潰れかけてた会社の立て直しに成功したと大輔が話してたの。
 アルトバルからの船便は、もう少し貨物量を増やしたいと聞いてるから、詩織の方は新商品のテスト販売や、今売れてる商品の増産を考えてみて。」
「分かりました、PRも並行して考えて貰います。
 お兄さま方は簡単そうに会社の拡大をされていましたので私達もと思っていましたが、自分達で取り組んでみてその難しさに気付かされました。
 やはり、お兄さま方は特別なのでしょうか?」
「そうね、私達の理念に賛同して下さってる協力者が大勢いるってことかな、株式会社SHIORIがその体制を整えられたら同じ様に協力して下さる方は少なからずいるのよ。
 私利私欲の為の会社ではないのでしょ?」
「勿論です、私達が普通に生活して行くのにはYouTubeからの収入だけでも多過ぎますので投資に回せるのです。
 その投資によって、生活改善出来る人がいるのですから。」
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