SSブログ

バトル-297 [高校生バトル-30]

「詩織、向こうでの雇用は増やしているのでしょ、どんな仕事をして貰ってるの?」
「三郎兄さまの会社を手伝いながらの研修がメインですが、それぞれが最低でも自分の給料分ぐらいは稼がなくてはと考え、販売や農作業、ガーデニング資材の加工と言ったことに取り組んでくれています。
 春子姉さま、毎日同じ作業をしたい人と、色々な作業を経験したい人がいますが概ね希望に沿った形に出来てるのですよ。」
「皆さんとチーム詩織は意思疎通が出来てるのね。」
「今は全体の一割ぐらいだけです、英語に取り組んでいると言っても、会話だけで精一杯の人が多く、読み書きに挑戦している人の一部が私達との交流を望んでと言う感じなのです。
 言葉を話し始めてから文字を覚え、読み書きに至るまでにはそれなりの時間が必要なのでしょう。」
「英語教育を受けて来なかった子が多いの?」
「はい、中には母国語での読み書きすら怪しい人がいるそうです。
 私達とメールのやり取りを出来てるのは彼らの中でも優秀な人なのですが、それでも算数が苦手だったりして仕事の幅を狭めていると聞いています、やはり基礎教育は大切ですね。」
「アルトバルでは、貧困層向けの学校を考えてると聞いたけどどうなの?」
「長く続けることを考えると予算的に難しいそうで、暫定的に英語の読み書きが出来、算数を教えることの出来る十代の人達を教師役にして始める方向で動いています。
 教材を整えることが出来れば無理なく始められそうだとかで。」
「給料を抑えられるから若手の教師?」
「はい、まずは社員の弟や妹を対象にしてのスタートになりますが、短時間の作業実習を入れ運営費をカバーして行く予定です。
 子ども達はお兄さんやお姉さんと共に働きながら学ぶことに対して全く抵抗が無いと言いますか、それを望んでいるそうです。」
「きつい仕事では無く、難しい学習で無いので有れば彼らにとって良い型なのかもね。
 教育水準が上がり、それに見合った就職先が確保されたら良いのだけど。」
「はい、彼らの職を確保する為にも、私達の事業は拡大して行かなくてはなりません。」
nice!(14)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 14

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。