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バトル-279 [高校生バトル-28]

「アルトバル支社は夏休みに来た時からそんなに経っていないのに充実してたね。」
「うん、話には聞いていたが実際に店の活況を目の当たりにして安心したよ。」
「農場も広くなっていたけど、資金面はどう?」
「最初に始めた農場の単位面積当たりの収穫量が、ここの農家とは桁違いに多かったのを知った政府関係者が動いてくれたお陰で土地に対する支出は抑えられているよ。
 政府関係者としても食料自給率を上げたかったそうでね。
 土壌改良に関する費用は掛かっているが採れた作物の売れ行きは好調で、順調に行けば輸出することになる、今までの農業ではとても輸出なんて考えられなかったのだけど。」
「それだけの農業技術を導入したと言うことなのね、このまま安定した黒字に持ち込めそうなの?」
「無理して社員を増やし過ぎなければな、ただ、社員として採用し生活改善の手伝いをさせて貰いたい人は大勢いるから微妙では有る。」
「これからは新会社でも雇用し、それを加速させたいと詩織が話してたけど限りが有るのよね。」
「まあ、焦らず欲張り過ぎずだな。」
「ねえ、旅の最後にもう一度行く王国で、新会社に関する発表もするのでしょ。
 今夜相談することになってるけど、お兄さまはどの程度のことを発表するのが良いと思ってるの?」
「まだ検討中のことが多いだろ、それと一気に発表するより小出しに話題を提供して行った方が人々の心に残り易いと思うんだ、農業公園のオープンまでには時間が掛かるから、急ぐ必要はない。
 まずは遠江王国を国として認めると言う発表を国王陛下がして下さることになってるから、それがメイン、新会社については王女と詩織から色々伏せた形での発表にし、皆さんにワクワク感を感じて貰える形が良いと思ってる。」
「そうね、YouTubeチャンネルで小出しに発表して行けば総視聴回数も稼げるかな。
 ただ、詩織の仕事が増える事になるのでしょ?」
「そうだな、このエリアの人達は詩織の映像を求めているが、詩織の負担にならない程度にしないと。」
「うん、それでさ、ちょっと思ったのだけど、チーム詩織ってバーチャルな人格でしょ、ならそのままバーチャルユーチューバーみたいな形でYouTubeに登場ってどうかしら?」
「あれか…、少し調べたことは有るが…、雅はどんな形を考えてるんだ?」
「リアル詩織とバーチャル詩織は同じ様な存在にするのだけど、バーチャル詩織の声は本人ではなく詩織に似た声の人に担当して貰うの、台本はチーム詩織で作るからリアル詩織にはそのチェックをして貰うだけにしてね。
 キャラクターは詩織をモデルにしたものを制作して貰って…、リアル詩織程の人気が出るかどうかは未知数だけど、ある程度成功したらリアル詩織が撮影に時間を取られることなく映像作品を増やすことが出来、新会社の資金源にもなると思うの。」
「全てはキャラクター次第だが、そのキャラクターが多くの人に受け入れられたら、チーム詩織によるバーチャル詩織が独り歩きを始めるのかな。
 結果がどうなるのかは微妙だが試してみる価値はあるね。」
「問題は声が見つかるかどうか…。」
「チーム妹の中には声優志望の子もいたよな、バーチャル詩織とリアル詩織の声を近くすることに拘り過ぎる必要が有るのか無いのかも分からないが…。」
「サンプルを作ってみる費用ぐらいは私が負担しても良いわよ。」
「キャラクターの制作には結構費用が掛かるのだろ。」
「多分ね、でもついでに私の分身も作って子育て奮闘記とかで活躍して貰うってどう?
 サイズを小さくして登場させるとかしたら、もっと楽しいチャンネルに出来そうな気がするのだけど。」
「そうだな、失敗を恐れずにチャレンジだ、雅、やってみよう。」
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