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バトル-275 [高校生バトル-28]

「ようやく懐かしのアルトバルと言う感じですね。」
「だな、長旅で詩織も疲れただろ?」
「疲れてませんよ、若いですから。」
「自分は笑顔で手を振るだけでも気疲れしてるのだけどな。」
「それでも、私達の活動に協力して下さる方々を見つけられたのですから良かったではないですか。
 訪問時には私達をパフォーマーとしてしか評価して下さらないのかと思った国からも、国王陛下の談話発表を受けて連絡が入り、成果は上げられたと思います。」
「裕福な国を嫉んでいるよりも良好な関係を築き上げた方が得策だと気付いたのだろうな。」
「ですね、今日、王女さまから連絡が有りまして、農業公園プロジェクトスタートに向け隣国からの参加者を募って行く要綱が完成したそうです、少しずつですが動き始めています。」
「我が社としても、日本とアルトバル支社から担当する社員を送り込んだからな。
 王女にはあくまでもサポートで有り実際に会社を動かして行くのは十代の社員だと伝えて有る。」
「アルトバルからも農業公園プロジェクトに青少年社員を派遣するのですか?」
「具体的な話はこれからになるが、英語が得意で仕事熱心な年長者に打診してみようか話し合ってるよ、ただ、その辺りは詩織から話した方が良いと言うことでね。」
「そうでしたか、新会社の幹部候補でも有ると考えれば良いのでしょうが、どんな人物かはアルトバル支社の人にしか分からないと思います、その辺りの情報も、アルトバル支社へ訪問して教えて貰うことになるのですね。」
「教えて貰うと言うより詩織と雅が話をして感じるだけで良いさ。
 派遣する候補者たちは皆真面目で仕事にも学習にも真正面から取り組んで来た子達だと聞いてるからな。
 派遣するのはそこからの希望者全員でも構わない、農業公園プロジェクトに参加することで成長してくれることを願ってね。」
「王女さまの知人達とは格差が大きそうで、委縮してしまわなければ良いのですが。」
「ああ、そこが一番の問題かも知れない、我が社の社員にはその辺りの助言がメインになるのかもと伝えたよ。
 事業そのものはうちの社員が見守ってさえいれば大丈夫だと思うんだ、素直な子ばかりだからな。」
「まずは事業展開を急ぐのでは無く、組織固めからになりますものね、それでも収益を少しずつでも上げて彼らが安心して取り組める様にしたいです。
 YouTubeとグッズ販売からでも。」
「そうだな、グッズ販売を通して流通の仕組みを学んで貰えたら良いね、YouTubeに関しては心配していないのだろ。」
「はい、王女さまのチャンネルは国民の間では人気ですが、人口が多く有りませんので、これからは他国の人にも見て貰い易いコンテンツを制作して行こうと話し合っています。
 彼女の周りでは日本語学習がブームになっているそうですので、日本向けの日本語番組を制作することも考えていますし、次のミュージカルの舞台にすることも春子お姉さまと相談しています。」
「そうだな、そうなると次の主役は詩織だね。」
「そ、それは…。」
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