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バトル-274 [高校生バトル-28]

「チーム詩織メンバーから、子どもが働いてることに対して違和感が有ると言う声が聞こえて来たのだけどね。」
「まあ、日本では働いてる子どもが少ないからな。
 でも、問題は子ども達が働いてることでは無く、その労働環境が悪いことだと納得して貰えたか?」
「一応伝えはしたのだけど、価値観の違いが大きいと思ってさ。
 働くことは、労働環境さえ良ければ、自信に繋がったり成長にも繋がるでしょ。
 アルトバル支所からチーム詩織に届くメールでは、十二歳以上の子ども達が楽しく学びながら働いていて、その姿は弟や妹達の憧れになってると有ったわ。
 利益も出せてるのでしょ。」
「ああ、それぞれにテーマを決め、目標を持って働いてるそうでね、学習面も観光客の案内を意識して英語学習だけでなく、アルトバルの歴史についても、そしてそれぞれが自身のスキルアップを考えてるそうだ。
 真面目に取り組んでいるから、現地の大人達も応援しようと言う雰囲気になって来たそうでね。」
「以前は怒鳴られながら低賃金で働いてたとか、労働環境が変わったことで人としても変わった気がすると伝えてくれた人もいるのよ。」
「まずは、我々の取り組みが良い形で進んでいると言うことだな。
 色んな話が一気に進み始めて雅と詩織の仕事が増えてしまったが、雅の労働環境に問題はないのか?」
「そうね、不満はお気に入りのプリンがここでは食べられないことかな。
 他は今まで学んで来たことを活かし、自分達で抱え込まない様にしてるから…、ボランティアで働きたい人が数え切れない程いるでしょ、仕事を回して上げないとだからね。」
「仕事を回すにしてもリーダーがしっかりして無いと上手く行かないだろ、今はスムーズに行ってるのか?」
「今までは問題なかったけど流石に新会社設立には戸惑ってるみたい、高校生部会でも多国籍企業を立ち上げた人はいなさそうでしょ。」
「だろうな、アルトバル支社の連中も支援体制を作り上げるのには時間が掛かりそうだと言って来た、でも我々の事業展開を先へ進めて行くのにはプラスになることだから、まずはアルトバルの青少年社員の一部を新会社に移行して仕事の一部を任せてみるのも悪くないともね。」
「そっか、それが一番早そうね、本社はアルトバルに置くの?」
「本社か、微妙だよな…、アルトバル支社は社員が増えてるから、支社の子会社みたいな形でスタートしても良いとは思うが、先々はな…。」
「国王陛下は是非我が国にと思ってるでしょうね。
 事業展開して行けそうな国々に支社を立ち上げて行き、状況に応じて分社化とか考えても良いのだけど、多国籍な企業として進めて行きたいとも思うのよね。」
「だな、王女は新会社のシンボルには詩織になって欲しいと話してて、自身がそうなるよりも各国に良い影響をもたらすと考えてるそうだ。
 確かに遠江王国と言う地理的に離れた、しかも半分バーチャルな国家の人物がリーダーとなれば国家間の軋轢は生まれにくいと思う。」
「多国籍の人が一緒に働く職場を実現出来たら、全員が同じ立場でと言うのが理想だものね。
 リーダーが偏る可能性は有っても。」
「そうだな、まずはアルトバルで我が社の子会社となるチーム、農業公園プロジェクトでは企画スタッフを募集して準備を進めるチームをそれぞれ立ち上げると言う感じでどうかな、それぞれの活動からリーダーを選出して行き会社組織を構築して行くと言うのが現実的な気がするよ。」
「二か国の橋渡し役をチーム詩織でして行けば良いのかな。
 他の国にもスタート時から参加して欲しいところだけど難しそうでしょ。」
「ああ、ステージが盛り上がりグッズが売れてても、我々の活動に興味を持つ指導者のいない国ではな。
 これから周る国々がどう出るのかにもよるのだが。」
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