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バトル-273 [高校生バトル-28]

「詩織、王女の反応はどうだった?」
「お兄さまの会社で取締役を目指す為の学習を受け始められ、考え方が柔軟になって下さった気がしまして、新会社の設立には全面的に協力して下さるそうです。
 時間が掛かっても、力有る人が弱者を支える環境を目指し、高校の仲間にも声を掛けて下さると、私達と交流の有る方だけでなく先を見据えて幅広くと話して下さいました。
 国王陛下も企業活動の活発化を考えておられましたので喜んで下さいまして、若い世代が実践的に会社運営を学べる場にして欲しいと。」
「心強いね、そうなると直ぐにでも何処に投資をして行くか具体的に考えて行かないとな。」
「はい、国王陛下からは隣国と国境をまたぐ形で、遠江王国方式の農業公園を整備して行くと言う案を頂きました、遠江大学のキャンパスにしても良いからと。
 勿論、お兄さまの会社に絡んで頂くことが前提ですが。」
「良いね、国王陛下としては食料自給率の低さが気になっているのだろう、かと言って自国民が農業に興味を持つかと言うと微妙、でも隣国の住民なら少し条件を良くすれば労働力の確保には困らないだろう、公園として観光客を呼び込めれば収益も期待出来るからな。」
「観光客を意識して果樹や花木に力を入れたいです、かなり広い土地を用意出来るそうですので、観光客にも喜んで貰える農業公園、植物園を目指せるかも知れません。」
「広い土地が有るのなら可能性は広がるが、交通の便とかが問題になって来るのかな。」
「そうですね、空港や港からの道路整備は必要になるみたいです。
 国王陛下は話が公になった時に隣国がどう動くのか興味深いと話しておられまして。」
「隣国の動きか…。」
「公園までのアクセス、人が王国側からばかりでは観光客増加に対して隣国のメリットは少なくなります。」
「だろうな。」
「その辺りの所を、隣国がどれだけ考えられ、どれだけの投資を出来るかで今後の対応が変わって行くと話されていました。」
「そうだな公園を共に盛り立てて行けるか否かは我々にとっても大きな判断材料になって行くだろう。
 どちらにしても隣国の若者を中心に雇用して行くのだろ?」
「いえ、協力的で無いのなら他国から社員を集めて欲しいと話しておられました。
 国家間の駆け引きだそうですが、それを実行するのが新会社なら…、好条件で多くの外国籍の人が働く農業公園が自国内に出来ても揉めにくいのだとか。」
「協力的でない国に対して、雇用の拡大や経済の活性化に向けた手助けをしてあげる必要は無いと言うことだな。
 エリア全体を考えたら我々に協力的な国を中心に社員募集した方が効率的かも知れないね、生活改善を考えたい人達の多さを考えたら、どうしても優先順位を付けざるを得ないからな。」
「ですね、新会社で雇用と言っても初期段階ではほんの僅かしか雇えません。
 それでも、その人達が会社の核となってくれれば、長い道のりでは有っても決して険しい道のりにはならないだろうと、国王陛下は話して下さいました。」
「う~ん、長く険しい道のりになりそうな気がするのだが。」
「国王陛下は、私達が活動の中心にいるのであれば協力者は増え続けるだろうと。」
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