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バトル-272 [高校生バトル-28]

「詩織、雅から新会社設立の話は聞いた?」
「はい、チーム詩織にも情報を流しました。
 どこから、どう始めるかは王女さまと相談してからになりますが、このエリアで働いてる子ども達の環境改善を一つの柱にしたいと考えています。
 まずはエリートクラスの中から起業に興味の有る人達を見つけ出し仲間に加えて行くことが出来るかどうかですね。」
「王女にはうちの取締役になって頂く方向で連絡を取り合っているが、彼女と詩織が組んだら無敵だと思うよ。」
「そこまでは…、営利企業として利益を出せなければ、子ども達の環境改善と言っても綺麗ごととして流されてしまいかねません。
 簡単に利益を出せるので有れば、すでに誰かが取り組んでいると思いませんか?」
「それでも、大人が取り組むよりは人件費を抑え気味にスタート出来るし注目を集め易いだろ。」
「ですが、労働と学習のバランスが難しいと思うのです。
 雅とは、若年層の社員を私達で養って行くぐらいの覚悟でスタートさせたいと話し合っていますが、王女さまがそれに納得して下さるかどうか。
 彼女は自国だけでなく周辺国でも人気が有り影響力が有りますので是非賛同して頂きたいのですが…。」
「確かに彼女は自立と言うことを重視しているからな、それでも自立までのステップとして話せば分かってくれるのではないかな。
 で、詩織は詩織自身の影響力についてはどう判断しているのだ?」
「私ですか…、それはあまり考えて無かったです、このエリアの皆さんに受け入れられてはいますが、王女さまとは立場が違いますのでどうでしょう。
 ただ、自分の価値観で話したことに対して反発を受ける可能性は否定出来ないと思いますので、今まで以上に言動には気を付けて行くつもりです。
 台本なしの発言は控え、その台本もここの人達に吟味して貰うべきかと。」
「確かにその方が無難だな、しかし、エリート層と貧困層では受け止め方が大きく違うと思うぞ。」
「そこはアルトバル支社の三人に相談したいと思っています、今は仕事と学習に忙しそうですので新会社の設立となったら引き抜いても良いですよね?」
「詩織に引き抜いて貰えたら彼らは大喜びだろう、会社の所属が変わった所で学習は継続して行けるのだから問題はない、一応新会社設立の話は支社の連中にも伝えておくよ。」
「旅の終盤、アルトバル訪問までに話を進めておいた方が良いでしょうか?」
「そうだな、急いては事を仕損じるとも言うから焦ってはならないが、それなりに準備を進めておけたら彼らとの相談内容が濃くなるだろう。」
「ですね、それも含めてチーム詩織メンバーとも相談してみますが、新会社に関してはチーム妹メンバーからも協力者を募って行きたいです。」
「そうだな、チーム妹だけでなく高校生部会にも頼んでくれよ、高校生部会では遠江王国を中心としたフェアトレードの展開強化に向けて動き出しているから協力してくれる人は多いと思うんだ。」
「お兄さま、雅と相談していて少し迷ってるのは、遠江王国に彼らの手作り作品とかを輸入するとして、その技術力を競って貰うことを考えてみたのですが、職人さんを養成する方向で問題はないのか、将来的に安定した収入を保証出来ない気もしまして。」
「そうだな…、兼業と言う形の保険を考えておこうか。」
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