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バトル-271 [高校生バトル-28]

「次の国ではYouTube動画の撮影がメインなのでしょ、支社の話とかはないの?」
「支社設立の可能性は比較的高いのだけど、観光地として有名な割に訪問客が減少傾向だそうでね、集客に貢献して良好な関係を築きたいと思っているんだ。
 後、島々を船で回りながら、観光以外の可能性も探って行けたらともね。」
「そう言うのって現地の人達が考えてるのでないかしら?」
「まあ、考えてはいるのだろうが上手く行ってなさそうでさ。
 それほど売れて無かったアルトバルの民芸品に対して日本人スタッフが日本向け仕様をアドバイス、アルトバルと遠江王国、友好のシンボルとして売り出したら、遠江王国の土産物としてヒット商品になっただろ。
 そんな風に第三者の視点は必要だと思うんだ。」
「そっか、現地の人とは感覚が違うものね、表情が少し怖かったのを僅かに変えただけでとてもユーモラスになり日本人受けしたのよね、王国の土産物として販売することで大きな利益に繋がり製造元を潤わせていると聞いたわ。」
「あれはフェアトレードの概念を広げて行く象徴にもしたいと考えていてね。」
「フェアトレード?」
「日本は経済的に立ち遅れている国を食い物にして来た歴史が有り、安く輸入している物の中には、その国の労働者を低賃金で働かせ負担を強いていたり、結果的にその国の環境破壊を助長している商品が有ったりするんだ。
 日本人が物を安く手に入れる為に行って来た行為に疑問を抱く人達が始めた、適正な価格で輸入することでその国の経済状況を改善して行こうと言う流れなんだ。」
「あっ、フェアトレードと言う言葉は初めて聞いたけど、お兄さま達がアルトバル国やこのエリアで考えて進めて来たことなのね。」
「日本国内で、同一労働同一賃金が求められてることは雅も知ってるだろ、でも、それを世界規模で考えたら、とんでもない格差になると思わないか。
 勿論、為替レートなど様々な要因が有る訳だが。」
「安価な労働力を求めて海外に工場を建設してるとは聞いたけど…。
 そうね、アルトバル支社で働く、私と同年代の人達の収入を聞いた時、私が自由に出来るお金の額は絶対内緒にしておこうと思ったわ。」
「それでこのエリアへの投資を考えたのか?」
「まあね、投資をし経済活性化に貢献出来ればと思ったのだけど難しいのよね、助言をして貰いながら考えてるところだけど。」
「確かに難しいよな、出来れば最低限の投資で最大限の結果を出して行きたいが、我々がYouTubeで稼がせて貰ってる様には行きそうにない。」
「YouTubeを閲覧出来る人の割合は少なくても、エリア全体ならそれなりの人数になる、詩織に頑張って貰うしかないわね。」
「雅は?」
「詩織のアシスタント役に徹しようかなって、子育て奮闘記では随分手伝って貰ったでしょ。」
「そうだな、ただ先日のステージが好評で雅関係のグッズも売り上げが伸びてる、その辺りも意識していてくれな。」
「私のお小遣いも増えそうなの?」
「勿論さ。」
「そっか、その分もこのエリアの人達が喜んでくれそうなことに投資したいけど、お兄さまは何かお薦めって有る?」
「そうだな、アルトバル支社では若い人達に働きながら学んで貰い、学んだことを活かして働いて貰うと言う活動を展開しているだろ。
 それを更に充実させ拡大して行きたいと考えてるのだが、若者達が会社運営を学びながら実際に自分達で会社運営に取り組むと言うのはどうだ?」
「う~ん、そうね、王女さまとも相談かな、まずは詩織と相談してみるね。
 各国に支社を作りその運営で支社同士のバトルとか考えたいかな…、バトルと言っても利益だけでなく人に対する優しさでも競い合って欲しいわね。」
「それは良いね、うちの会社が全面的にバックアップして行くが、資本金は雅達で何とかなるだろ。」
「うん、私達の資金で足りなかったら詩織か王女さまを社長にして株券を発行すれば何とかなるでしょ、小規模で始めるのだったら私のお小遣いだけで充分かも。」
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