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バトル-265 [高校生バトル-27]

「そうか、国王陛下は遠くから見ていて詩織と楽しそうに話しておられると感じたが、内容は真面目なことばかりだったのだね。
 この国と接してる隣国にも支社を立ち上げ国境沿いの町を中心に経済の活性化を図って欲しいと言うのは、この国の繁栄や安全にも繋がって行くのだろうな。
 そのままこの国を中心とした経済圏を遠江王国と共に築いて行けたら確かに面白いと思う。
 次に訪問する隣国は治安が悪い訳でも経済が破綻しそうな訳でもない、環境問題が有ってこの先原油の輸出だけに頼れない状況を考えたら隣国への投資は悪くない選択だ、我が社を間に挟んでおけば余計なトラブルを避けられるからな。」
「詩織はこの話に乗っても良いと思うか?」
「はい、我々義兄弟姉妹の考えを理解した上でのお話しなのだと感じました。
 このエリアにとって必要なのは人を育て経済を活性化させること、でも、資金は出せても各国との交渉や人材確保が難しいと話しておられまして。」
「だろうな、他国に対して教育資金の援助と言っても国家間では話が進みにくいだろう。
 その点、遠江株式会社は動き易いからな、商業活動の一環として職業訓練を始めとした教育を進められる。
 国王陛下から支社の立ち上げとそれに伴う出資の話をして頂いて断る理由は一つも思い浮かばない、支社に関する決定は遠江王国への帰国後と考えていたが、決めてしまっても大丈夫だよな。」
「そうなれば王女さまも喜んで下さると思います。
 もし可能なら自身が取締役の一員になってみたいそうですが如何です?」
「一国の王女、しかも高校生だから話題性抜群、この国に住んでいても全く問題ないが一度遠江王国へご招待したいね。
 それだけの出資を考えて下さっていると言うことなのだろ?」
「だと思います、今ある資産を有効に投資して行くことで原油が売れなくなった時に備えておきたいと国王陛下も仰られていましたので。」
「うちなら安心だと思って下さっているのかな?」
「遠江王国へ何人も派遣ししっかり調べ上げた上での考えだそうで、遠江王家との交流も大切にして行きたいと話して下さいました。」
「それだけのお考えが有った上で、遠江王国を国として認め国交をと考えておられるのなら、こちらとしてもそれに応えないとな、まあ、こちらの事前調査でもこの国に関する評価値は高かった、僕はうちの国王に報告して相談するから、詩織はスタッフと打ち合わせをしてここの国王と調整してくれるか。」
「はい、国王陛下との緊急会談を最優先にしても構わないですよね?」
「ああ、なんなら、旅の日程を変更し旅の最後にもう一度立ち寄らせて貰いたいぐらいなのだが。」
「王室のプライベートジェットを使っても良いと言うことでしたがどうします?」
「う~ん、より親密な関係になれるのならそれに甘えさせて貰うのも有なのかな…。」
「ではその方向で。」
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