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バトル-262 [高校生バトル-27]

「お兄さま、同じエリアの貧乏で不安定な国と裕福で安定した国を続けて訪問したことで、その差をより強く感じさせられたと思いません?」
「うん、ここまで極端に違うとはな、前の国では我々が貧困対策に力を入れてもどうにもならない感じだったから。」
「余裕が無いことで他国から足元を見られ食い物にされ、その経験から私達に不信感を抱く、悪循環に陥ってる様だと聞きました。
 アルトバルの様な小国でしたら少しの投資でも改革を進められそうですが、人口が多く教育水準の低い国ではどうにもなりませんね。
 支社を立ち上げられそうにないと言う事ですが見捨てるのですか?」
「支社は立ち上げないが、アルトバル支社が運営する店を出し暫く様子を見てみたいと言う提案が有ったよ。
 貧困対策には手を付けず輸入品を扱う店として現地の人を雇い入れ、店の運営をしながら社員教育を進めて行く、利益は出せそうだから店舗を拡大したり新店舗を出したりして行き、支社を立ち上げる時の足場固めにとね。」
「僅かで有っても雇用の拡大に繋がり、社員教育を通して民度を上げられたら良いのですが…、大変そうです。」
「アルトバルで雇った社員を派遣してトレーニングすることも視野に入れてるとか、それなりの構想が有っての提案でね。
 支社を置いて本格的に事業展開して行くことを考えたら初期投資は僅かで済むし、日本からアルトバルを経由して委託販売していたグッズでも、店舗が有れば直接送り直接販売する事が出来て効率的、委託販売より売れ筋商品を見極め易いと言う利点も有る。
 最低限の投資をした後はそれを回収しつつ現地での利益だけで拡大、成長速度は遅くなるがアルトバル支社の費用負担は少なく済むだろ。」
「支社を立ち上げるにしても、小さく始めてみてと言うことでしたが、更に小さいのですね。」
「ああ、粗末な小さな店でのスタートになるからな、逆にこの国は物価が高く、店もそれなりの内装外装を整える必要が有るから初期投資の桁は違って来る。」
「それでも利益は出せるのですね。」
「この国では値段が高くても質の良い物が求められている、我が社にはそれに応えられるだけの力が有るからな。
 それで…、詩織、この国で展開して行く店舗の名称は『SHIORI』で構わないか?」
「えっ?」
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