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バトル-260 [高校生バトル-26]

「お兄さま、今日のお仕事は如何でした?」
「特に問題は無かったが、アルトバル国が遠江王国を国として認めたことの意味を分かってない人がいてね、政府高官でも、アルトバル国が遠江王国の話題に乗っかることで自国をPRをし経済活動の活性化を考えたと、チーム妹の中学生でさえ理解してる事に気付けてなかったんだ。」
「能力的な問題でしょうか?」
「そう思うよ、ここでは能力の高さで出世するのではなくコネとか色々な要素が絡んでいるらしい、そんな組織に優秀な人は魅力を感じないだろ。」
「改革して行くことは考えられないのですか?」
「よほど強い指導者が現れないと難しいと思う、役所の不正は当たり前のことになってるそうだよ。」
「ここで、支社を立ち上げるには賄賂が必要に?」
「多分な、ただ賄賂と言っても、その辺りのことは法的にも緩いみたいでね、賄賂を贈って利益を確保出来るのなら効率的かもしれない。」
「賄賂イコール犯罪と言うことでは無いと?」
「みたいだな、ただ欲張り過ぎると叩かれるみたいだから、うちは賄賂を誰に幾ら贈ったかを全て公開しながら事業展開をして行くことになるかも知れない。
 その結果として雇用拡大に成功すれば、喜ばれこそすれ批判の対象にはならないと言うのがこれまで調査して来た結果なんだ。
 ただどこに落とし穴が有るか分からないから支社の立ち上げまで調査は継続して行くけどね。」
「社員が逮捕されるとかになっては…。」
「給料が安いから、袖の下も通常収入の一部と考えられている、公務員に対するチップみたいなものだと割り切って考えてる人が多いみたいだよ、日本での贈収賄とは意味が違うと言うことだな。」
「国家予算に余裕がないのでしょうか?」
「ああ、国民性なのか現状に妥協していて上昇志向が弱いとスタッフが話していた。
 将来に対するビジョンが見えなくてね、政府が国民の生活を良くして行きたいとか考えていないから、この国の貧困層の生活環境はひどいままなのだろう。」
「そうでしたか、私達は貧民街は危ないから近づいては行けないと言われました。」
「そんな貧民街でも餓死することなく生きているのだからと問題視してないみたい、近付かなければ良いぐらいの考えなのだろう。」
「そこに一石を投じて行くのは大変そうですね。」
「難しいだろうな、衣食足りて礼節を知る、それをここの貧民街に関しても意識しているが、そこに至る過程は…。
 まずはプランテーションを立ち上げ彼らを雇って行くとこから始めてみたいと考えているのだけど、教育面の問題も有り、長時間掛けてじっくりやって行くしかなさそうだな。」
「ここの富裕層もアルトバルと同じですか?」
「そうだな、価値観は似た様なものだと感じた、ただ、詩織が同行していないことに対して、雅が詩織には休息が必要だと説明しているのに、雅の機嫌が悪くなるぐらい残念がられてね、その辺りはアルトバルの人達の方がうんと紳士的、この国の政府高官よりアルトバルのエリート中高生の方が上だよ。」
「馬鹿な人達ですね、雅とも仲良くなっておけばこの先色々プラスになるのに。」
「だよな、民度の低さが経済成長を阻んで来たのだろう。」
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