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バトル-256 [高校生バトル-26]

「父さん、市議会の本会議、定例会は問題なく進んでいるみたいだね。」
「ああ、マスコミは市長の長期不在を問題視し批判していたが、議員は身内で味方だからな。
 アルトバルにいる間も普通に仕事をこなしていたし副市長達も抜かりなくやってくれてた、一番批判的だった週刊誌は批判してたことすら完全に忘れてるみたいだね。
 それより、帰国して一か月になるがアルトバル支社はどうなってる?」
「スタッフからは子ども達の語学力が向上してるとの報告が有ったよ、後から雇った連中は普段使う機会の多い英会話だけに特化してトレーニングしてるからか会話に慣れるのが凄く早かったそうでね。」
「書くことは二の次か?」
「うん、幼児が言葉を覚える時に文字なんて意識して無いでしょ。
 日本の英語教育は文字に拘り過ぎていたから、学習しても使えない英語で終わってしまっていたのではないかって。
 まずは日常的によく使う表現を使える様にする、それから読み書きに進むと言うステップを考えてるそうだよ。
 ただ、詩織とのコミュニケーションはどうしてもメールが中心になるから、最初に雇った三人は必死なのだとか、特別にパソコンを使える環境にして貰ってるのだけど日本語も覚えたいそうでね、三人にとってのスーパーアイドル詩織ともっとメール交換したいと、仕事を覚えながら頑張ってるそうだよ。」
「雅もスーパーアイドルなのか?」
「二人とも可愛いのだけど容姿に対する感覚が日本と少し違うみたいでね、仲良くなった子達にとっては詩織が優しく頼れるお姉さんとして接したことも有るのだろうけど、それとは関係なく詩織関連グッズの売れ行きが好調でさ。
 写真やポスターの売り上げが雅とは一桁違うんだ、日本では知名度的にも雅の方が上なのだけど。」
「そう言うものなのか、美少女は万国共通かと思っていたよ。」
「次のアルトバル周辺諸国歴訪の時にも詩織には活躍して貰わないとね。」
「長期間学校を休むことになるが大丈夫なのか?」
「その辺りは春子姉さんが動いてくれてる、高校進学には問題の無い成績を維持し続けてきたから推薦入試で済む、詩織を不合格にしたら高校にとって損失でしかないでしょ。」
「だな、チーム妹のリーダーになり一段と頼もしくなった。
 年齢に関係なく環境や立場によって人は大きく成長すると言う見本だな。」
「アルトバルの大人達相手でも物怖じすることなく話してたね、相手の方が美少女相手で緊張してたぐらいに。
 次の旅では更に色々な人との交流を体験して貰おうと考えているんだ。」
「本人はどう考えているのかな?」
「色々な形で自分のスキルを上げる、学校だけが学習の場ではないことをお父さんと再確認したと話してたよ、学歴ではなく人として勝負出来る大人を目指すそうでね。」
「親譲りで理数系も得意なのだろ、将来を考えたら迷ってしまいそうだな。」
「それを意識していたからチーム詩織を試してみようと決意したみたい。
 一人の人間に出来ることの限界を越えられないかって。」
「そうか…、我々は出来る限りの支援を、詩織にとって負担にならない形を考えながらして行きたいものだな。」
「勿論だよ、詩織がどんなリーダーに成長して行くのか楽しみでしかないからね。」
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