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バトル-253 [高校生バトル-26]

「お兄さま、王家からのプレゼントがこんな質素な服では、受け取った人ががっかりしないかしら。」
「いや、これぐらいで無いと色々とね、質が良すぎると自分で着るより売ることを考えかねないし、周りの目を意識したら今はこの程度で丁度良いんだよ。」
「こんな程度で良ければ私のお小遣いで、そうだユニフォームでも作って上げようかな。」
「う~ん、今後ユニフォームをどうして行くかは検討しているのだけど微妙な問題が有ってね。」
「微妙?」
「我が社の話は方針も含めて広まりつつ有るから、うちのユニフォームを着てると、それだけで貧困層の人だと思われかねないだろ、恰好の良いものにしても。」
「でも、仕事が他の人に対して誇れるもので有ったら胸を張って着てくれるのではないかしら。」
「そうだな、そう思って貰える様にして行かないとここでの成功はないかもな。」
「ユニフォームと言っても、ここではTシャツに半ズボンでしょ、帰国前に彼らの気持ちを聞いておこうか?」
「頼めるか、大人が聞くより雅達になら本心を明かしてくれそうな気がしてね。」
「でも、彼らが貧富の差をどう捉えてるのかは分からないのよね、富裕層の友達に通訳して貰ってどの程度のことを聞き出せるのかは微妙だわ。
 それでも良ければ、入社してからの研修に対する感想や今後の希望を聞いてみるけど。
 そうね、話をスムーズに進めるにはやはりプレゼントかしら、お兄さまは何が良いと思う?」
「そうだな…、兄弟で分け合えるお菓子なら間違いないと思うよ、ちょっとしたものでも凄く喜ぶそうだから。」
「そっか…、手作りのお菓子ってどうかな、友達連中は嫌がるかもだけど敢えてみんなで一緒に作ってみるとか。
 作業しながら話を引き出して貰うのも悪くないでしょ。」
「それは良いね、どうせなら売りものに出来るぐらいのお菓子を作れないかな?
 それなら研修の一環に出来るのだが。」
「売り物か…、ここで手に入る材料を使って簡単に美味しく…、地元の人向けに安価な物と観光客向けの利益率を高めに設定出来るものとを考えたいわね。」
「ここで手に入らない物でも、少量なら明後日日本を旅立つ人にお願いすれば日程的に充分間に合うと思う、観光客向けを考えるのなら材料の制約は極力減らしたいだろ?」
「そうね、今から案を募集し相談してみる、ここで手に入る食材としては…、お兄さまの畑では何が採れるの?」
「うちの畑でお菓子に使えそうなのは芋とか…。」
「どんな芋?」
「結構な種類を試してるから、お勧めを問い合わせてみるよ、ちょっと待っててな。」
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