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バトル-248 [高校生バトル-25]

「詩織、社会問題に関しては詩織が彼らに教えたのか?
 思ってたより話がスムーズだったよ。」
「ええ、私達と話せるのなら話の内容は難しくても構わないそうで、日本語を教えるだけでなく社会と個人の関係などを話をして来た成果です。
 ただ、英語で彼らの知らない単語を説明するのには苦労しました。」
「だろうな、それでも苦労した分だけ詩織の英語力が向上したのではないのか?」
「そうですね、英語で考えてる時間が長くなりましたし、電子辞書を使う回数がぐっと減りました。」
「うん、ここで雇用した人達も英語は理解出来ても仕事で使う単語は通じないことが結構有ってね、自分も単語を英語で説明することで英語力が鍛えられたと思う、言葉は使うことが一番の上達法だよな。」
「はい、特にここはイギリスでの表現が主流ですので戸惑うことも有りまして、色々な国の人が話す英語と接してみたいと思っています。」
「先日会って支援を申し出てくれた人の英語は癖が強くて苦労したよ、あれは方言だったのかな。」
「ふふ、雅は日本語を教える時、敢えて遠州弁を使ったりしてるのですよ。」
「えっ?」
「まあ、他県の人が聞いても分かりそうな範囲にしてるそうですが、遠州なまりの日本語を話すアルトバル人は雅の弟子だと分かる様にするのだとか。」
「雅らしい発想だな、詩織は東京育ちで方言に対する思いは有るのか?」
「あまりないです、遠江への移住がもっと早かったら遠州弁に染まっていたのかも知れませんが家で遠州弁を使う人はいませんので。
 言語は使うことで身について行くのですから、彼らが日本へ留学したら方言に関する雅の教育成果はすぐに消えてしまいますよね。」
「留学先が遠江王国だったら分からないぞ。」
「でも、海外からの留学生を受け入れそうな学校は有りますか?
 高校生の日本国内留学は受け入れていますが。」
「う~ん、遠江王国の公用語は敢えて日本語と英語にしたのだから、国としても留学生を受け入れて行く体制を…、今後の課題として考えて行くべきだな。」
「英語を公用語にした割には使われていないですものね。」
「それでも英語表記を街中に増やしたことが学生の英語力アップに繋がってとは聞いてるよ、詩織には関係のないレベルの話だけどな。」
「そうでもないです、英語表記を目にした時は英語で理解し判断する様にしていますので。」
「そのまま買い物も英語でしてみたら?」
「英語の苦手な店員さんに嫌がられそうで出来ません。」
「そっか…、でも、海外からの観光客を意識してる店の店員はトレーニングしたいかもだぞ。」
「それなら、その辺りのことが分かる表示が必要です。」
「確かにそうだな、チーム妹発で提案してくれないか、直ぐにそれを受け止める形で検討委員会を立ち上げて貰うから。」
「分かりました、中学生からの提案と言うことにしておきたいのですね。」
「ああ、高校生部会の連中、詩織からの提案に対する反応は異常に早いからな。」
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