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バトル-245 [高校生バトル-25]

「記念式典はどうにか問題なく終えられたわね。」
「春子姉さん、問題は明日のステージだよ、観客は僕らの演奏を聴くために海外から来てくれた人ばかり、この国に外貨をもたらしてくれた人たちをがっかりさせる訳には行かないだろ。」
「大丈夫、第三王子夫妻の姿を生で見られるだけでも来た甲斐が有ったと思って貰えるわよ、真子には多少ミスした方がライブ感が出るのだから、思い切ってと話しておいたわ。」
「ああ、聞いたよ、それでも…。」
「詩織と雅はすっかり仕上がっているのだから大丈夫よ。」
「うん、色々忙しいだろうに歌唱力がぐっと上がったな、先生も良かったのだろうけど、先生は二人の素直さを褒めてた。
 指導されたまま素直に歌おうとする気持ちが大切だとか。」
「三郎達もそうだったのでしょ。」
「う~ん、そう言われてみればそうだったかな。」
「技術面は先生に言われるがまま、表現は自分達でも考える、先生の指導方針は貴方達に合ってたと思うの、私は邪念が邪魔して歌は今一だったけど。」
「明日のピアノは頼むよ、ずっと春子姉さんのピアノで歌って来たのだから。」
「あっ、私にプレッシャーを与えようとしても無駄よ。
 どうせ私のピアノなんて誰も聴いて無いだろうぐらいの感覚で気楽に伴奏してるのだから。」
「姉さんの特技みたいなものか、その割に評判が良いのだからずるいよ。」
「評判が良いと言ってもプロでも無いのにと言う言葉が添えられる、だから気楽なの。」
「僕等もプロの音楽家と言う意識は弱いのだけど、音楽でかなり稼がせて貰ってるから、今更プロでは有りませんとは言えなくて…。」
「立派なプロじゃない、アメリカからプロの音楽関係者がわざわざ聴きに来てくれるぐらいの。」
「姉さんは僕にプレッシャーを掛けたいのかな?」
「三郎はプレッシャーが強いほど結果を出すでしょ、明日の観客はきっと満足して帰るわよ。」
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