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バトル-244 [高校生バトル-25]

「お祭りの露店を気楽に見て回るのは難しそうなのね。」
「雅は王家の一員としてここでも有名人になったからな。
 社員一同に警護されての撮影だけになってしまうが、それを楽しんでるフリだけで我慢してくれよ。」
「遠江王国フェスタと言うことで夏祭りをイメージした屋台も出すのでしょ、何が売れるのかこの目で見たかったな。」
「確かに自分で確認しておきたい所では有るな、アンテナショップの役目も果たして貰うのだから。」
「売れ筋を見極め、建設中の店舗で通年販売するのよね。]
「ここには今まで無かったタイプの店にするからな。」
「ねえ、あの店舗の建設資材って日本からの船便で運んだと聞いたわ、割高ではなかったの?」
「ここでは思うような材料が手に入らないんだ、近くの国で集める手間を考えたら大したことないし、日本である程度造り上げて有るから、ここでの作業が簡単で早いだけでなく、デザイン面で他の建物との違いを強調することが出来、宣伝効果も見込めるんだ。」
「そっか、一軒だけ浮きそうだと思ってたけど、それを狙ってるのね。
 でも、他の商店から売り上げを奪ってしまうことにはならないかしら?」
「商品のラインナップが大きく違うから大丈夫だろう。
 基本、うちで扱うのは観光客向けになるからな。
 あそこは観光の中心地として再開発して行くつもりでさ。
 周辺の商店も様子を見ながら少しずつ建て替えて行く話を進めているんだ。
 どう言う契約を交わして行くかは検討中だけど、商店主にとって悪くならない様に配慮しつつ、あの一帯をショッピングセンターの様な形にして集客を目指して行く予定、隣国からでも遊びに来たくなる様な規模を目指してね。
 ここにはショッピングモールみたいな大規模店がないから狙い目なんだ、地元の店と競合するのではなく、彼らを取り込むことで彼らの利益も上げて行くのなら問題が起きにくいだろ、観光PRに力を入れて全体の来客を拡大して行く計画も有るのだから。」
「彼らにとっては外国の資本に荒らされる様な感覚にはならないのかしら?」
「初期投資は少しずつの回収に止め、利益はここに投資と言う形を崩さなければ軋轢は生まれにくいと思ってる、経済活動を活性化させるきっかけだからな。」
「そうね、土産物屋は有っても観光客がショッピングを楽しめる所は少ないものね、客が増えれば雇用の拡大にも繋がるのかな?」
「ああ、今建ててる店で働く人も研修中だからね。」
「研修か…。」
「レジ打ちから店内のシステムまで、ここの人達にとっては慣れないものばかりでさ。」
「そうね、レジ一つにしても旧式で輸入品に何故バーコードがついてるのかさえ知らさそうだわ。」
「まあ、観光客を呼び込めないと初期投資の回収もままならないのだけどな。」
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