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バトル-235 [高校生バトル-24]

「三郎、アルトバルでは現地従業員を増やしたそうだがリーダーになりそうな人はいるのか?」
「まだ何とも言えないよ、一応英語の出来る人を雇ってはいるのだけど能力の高い人は国外へ出稼ぎらしくて、まあ社員教育をしてみないと判断が出来ないとの報告が有った、父さん、最初に雇った人達との意思疎通がようやくスムーズになり始めた所なんだよ。」
「難しいのか?」
「英語が話せると言っても語彙が豊富な訳ではなくてね、日常会話に支障が無くても仕事上必要な単語を教えて行く必要が有ってさ、熱心に覚えようとしてる割に覚えられない人がいたり、真面目に聞いて無いように見えてしっかり覚えてる人がいたりと、まだ色々掴み切れてないみたい、日本人とは価値観が違うことも有って。」
「文化の違いか。」
「環境が違うからね、でも給料分働いてくれる人なら問題ないよね。」
「どんな仕事を任せて行くのだ?」
「今は担当社員の補助をして貰いながら各自の適性を見極めてるのだけど、遠江大学の人達は農業や水産業の改革だけでなく色々考えてるでしょ、だから広い職種から選ぶことが出来ると思う、担当スタッフは大変だけど。」
「大学メンバーとの情報交換は出来てるのか?」
「互いに遠慮し合ってると感じたから、遠慮せずに提案や協力要請をして貰う様にお願いし、それぞれの考えをグループ代表に発表して貰ってね、そしたら様々な案が出て来た、今はみんなでそれを検討中。
 担当社員は遠江大学側の考えが分かって動き易くなると話してくれたよ。」
「仕事が増えて大変になるとかはないのか?」
「作業が増えることを見越して現地スタッフを増員してるのだけど、大学側の活動をどうフォローして行けば良いのか具体的な部分が見えにくかったそうでね。
 僕らは雇用の拡大も目指しているのだから仕事が増えるのは良いこと、そこで利益を上げられるかどうかをみんなで検討してるのさ。」
「資金も無限ではないからな。
 現地スタッフの給料は妥当な額なのか?」
「初任給は現地の標準的な額より少し多いぐらいにし、実績に応じて加算して行くのだけど、ご褒美をって提案が有ってね。」
「ボーナス的な?」
「お金では無く日本の百円ショップ商品を働きに応じた賞の賞品としてあげるのだけど、こちらで商品を選ぶのではなく、多数の百均商品から自分で選べるシステムなんだ。」
「ふむ。」
「現地の人が何を選ぶのか、そして使ってみた後の感想を聞かせて貰えたら今後の参考になるでしょ。」
「なるほど、リサーチ込みの賞品か、悪くはないな。」
「何が人気になるのか分からないから向こうに送る商品選びが難しいのだけど、輸出を視野に調べて貰ってるんだ。」
「百円と言っても向こうでは高く感じるかも知れないのだろ。」
「欲しければ気にならないだろうし、高めの物でも買える層を増やして行くのも目標の一つだからね。
 国家間の経済格差を無くして行く道のりは果てしなく遠いけど。」
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