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バトル-233 [高校生バトル-24]

「春子姉さん、地方自治体からの視察は続いてるの?」
「ええ、遠江王国の事務局が担当して無かったら役所の職員が大変だったかもってレベルでね。」
「感想は聞いてる?」
「ある程度YouTubeチャンネルで予習してからの視察だけど、花の多さに驚く人が多いそうよ、映像では花の多い一部エリアをクローズアップしてると思われてたみたい。
 電線の地中化工事が進んでいるエリア、街並みにこだわった改装が進んでるエリアは特に花に気を配っているから、日本じゃないみたいと言う声が聞かれるとか。」
「確かに変わったよな、市民がここまで協力してくれるとは思ってなかったよ。」
「閉塞感を感じてた人が多かったのでしょうね。
 市政改革は市長の力では無く、市民一人一人がこの市を活力有る街にして行こうと言う思いによって始めて実現出来る、お父さんのあの演説は今でも話題に上るぐらいだから、本当に市民の心に届いたのだと思うわ。」
「それを素直に受け止めてくれた遠江王国の市民は最高だよ。」
「そうよね、おそらくボランティア活動をしてる人の割合は日本で最高レベルだと思うもの。
 そのおかげで街が綺麗になったし、何と言っても市の財政が一気に改善してるのだから。」
「そんなに違うの?」
「勿論よ遠江株式会社が福祉関連予算を押し下げているだけでなく、公園管理費や公共の場の清掃費が随分減っているのよ。
 観光客が増えたことで潤ってる商店が多いから税収が伸びたのだけど、それにもボランティアが間接的に関わっていると言えるでしょ。」
「工事の多さに対する苦情は出て無い?」
「少しは来てるけど、大都市でもないのにリニアモーターカーが運行されたり、試験を兼ねてとは言え最新技術が導入されるのだから期待してる人の方が断然多いのよ、工事がどれぐらい進んだと言ったことが話題になるぐらいにね。」
「いきなりの大規模プロジェクトだったから戸惑いも有ったと思うのだけど。」
「こんな田舎に研究所が建設されるということに対する戸惑いは有っても、それが市の活性化に繋がることは皆さん理解してるわよ。
 愛・地球博に合わせて導入されたリニモは博覧会終了後は利用客が伸びずに苦労してたそうだけど、遠江王国では通勤通学観光と利用客が伸びて行く形がすでに見えてるでしょ。」
「プロジェクト関連で会社が移転して来て、その社員の為の宅地開発と、総合的な開発が進んでるからな。」
「その大きなポイントになってるのが土地区画整理事業なのよね。」
「聞いてはいるけど、そんなに重要なの?」
「地権者の意思がまとまっていれば成功して新しい街が生まれ成長して行くのだけど、揉めてると時間ばかり掛かってしまうのよ、中途半端な道路ばかりの土地に住みたいとは思わないでしょ。」
「そんなことが有るんだ。」
「土地の買収に関する事例では何十年掛かることも普通に有るのよ。」
「へ~、遠江王国では順調に土地取引がなされてると思ってたけど。」
「私達関連の買収では、自分が持て余し気味だった土地を私達に託したいと言う人が少なからずいたからなのよ、金額の問題ではなくね。」
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