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バトル-224 [高校生バトル-23]

「公園の美化活動から街の美化運動に発展して来たのは、市民の手で綺麗な活気有る街にしようと言う市長の提案に多くの人が賛同した結果ですよね。」
「そうだな、詩織達の活躍も有るが、綺麗になり始めた公園を見て手伝おうと思ったり、清掃活動と地域の親睦活動を並行して行うことで参加者が増えたり、観光客が増えたことで商店が協力的になったことも大きいかな。」
「お兄さま、遠江王国では起きてる、そんな好循環をアルトバル国でも起こせるのでしょうか?」
「う~ん、国民性の違いが有り、貧富の差が大きく生きるだけで精一杯と言う人が少なくないみたいだから難しいかな、衣食足りて礼節を知るって言葉も有るだろ。」
「街の美化を考える余裕は無いのですね。」
「今はな、でも、それだけに余裕を作って行きたいとは考えてるんだ、僕らの力で労働環境を大きく改善させることは可能だが、市民教育の必要が有ってさ。
 我々が作り出した余力を、全力で博打や、飲酒は兎も角違法薬物につぎ込んだりされたら残念過ぎるだろ、だから、その余力で環境改善を考えてくれたらとは思ってる。
 まあ、労働環境改善の交換条件と言った形で進めて行くことになり、成功すれば社会改革の速度が上がるだろうが、失敗したら新たな社会問題を作り出しかねないかな。」
「収入が増えれば生活が良くなって、と言う単純な話ではないのですね。」
「教育環境も日本とは違うだろ。」
「まずは職業訓練校でしたね、子ども達に対する教育はどうなのです?」
「貧困層の子ども達も職業訓練校で面倒を見て行くことになりそうだよ、それが一番手っ取り早くてね。」
「小学生の頃からですか?」
「小さい子には職業訓練を受ける為の基礎学習から始めて貰うことになるから、小学校と似た様なもの、ただ、貧困層の親を納得させる必要が有り、職業訓練を前面に出した方が学校に通わせ易いと言う事情が有ってね。」
「こちらとは随分違うと…。」
「親に対して生活を安定させるサポートをしながら、親子共に教育して行く必要が有る、そうして行かないと僕らの活動は本当の成果を上げられないし、定着して行かないのさ。」
「街の美化に自主的に取り組み好循環を生み出して行くなんてことは先のことなのですね。」
「ああ、彼らの幸せを考え、じっくり取り組む必要が有る、それは我が社が遠江王国で進めていることと同じだよ。」
「じっくりですか…、私達はどうしても早い結果を求めがちで…、チーム妹のメンバーにも考えて貰います。」
「頼むよ、詩織もリーダーとして考えてくれてるのだね。」
「まだまだですが…。」
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