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バトル-222 [高校生バトル-23]

「三郎、アルトバルの周辺諸国についても調査してるのだろ、どんな感じなのか報告は有ったのか?」
「少しずつ情報は来てるのだけど、父さん、やっぱ難しい問題が起きそうだよ。
 アルトバル国で直ぐに国民の生活水準が向上する訳ではないにしても、目標としてる社会環境を考えたら何らかの手を打っておかないと周辺諸国と軋轢が生じたり不法移民の問題が起きかねないみたいなんだ、経済的な問題も有って一国だけを改革と言うのは無理が有るみたいだね。」
「そうなると広範囲に我々が影響力を与えることが出来るかどうか政治力が問われるところだな。」
「政治力か、父さんの考えは?」
「周辺諸国に対し、アルトバル国同様の提案をして行くしかないだろ、各国に遠江王国国営遠江株式会社の支社を置き現地社員を募集し教育する所から始めて。」
「う~ん、そこまでの資金は…。」
「アルトバル国での成功が見えれば資金調達は出来ると思うぞ、元植民地なら旧宗主国に働き掛けるのも有りだな。
 直ぐに支社を置く必要はないが早めに準備を始めるべきで、アルトバル国で失敗する気はないのだろ。」
「そうだね、同じ一億円でも日本とアルトバルでは全く違う、問題はアルトバルの周辺諸国の中でも人口の多い国かな、資金調達出来たとしても、支援の仕方を工夫しないと色々落とし穴が有りそうな気がするよ。」
「それは言えるな、安い労働力を利用してる大国がどう出て来るのかも分からない。
 ただ、貧富の差が大きくなり過ぎているのだから少しずつでも是正して行く必要はあるだろ。」
「うん、低所得者層は受け取った給料を溜め込むことなく使う必要が有るのだからお金の回転は良い筈、富裕層が少し良心的に貧困層のことを考えるだけで貧困問題が解決しそうな国は少なからずあると思うのだけど、日本の現状を考えると難しそうだね。」
「人間は金を溜め込むのが好きみたいだからな。
 うちみたいに沢山稼いで沢山使い、投資してくれたらと思うのだが。」
「アルトバル国で成功出来れば、動いてくれる人が増えると信じて頑張ってみるしかないね。」
「だな、周辺諸国の歴史や事情に配慮しながらになるが、少し調べていて気付いたのは、戦争によって独立出来たと考えてる人が少なからずいること、個人の事情によって想いは様々だろうが、日本に対するイメージは悪くないみたいなんだ。
 こちらの好感度を更に上げられる企画を出して行けたら政治的な駆け引きは楽になると思うがどうだ?」
「次郎兄さんが帰って来たらその辺りの相談をして…、僕も一度行ってみようかな。」
「そうだな次郎はこっそり言ってるが、三郎は第三王子として周辺諸国を含めた視察旅行を企画してみないか、バカンスとは別でね。
 それに対する各国の反応を見ておきたいと思わないか?」
「そうだね…。」
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