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バトル-221 [高校生バトル-23]

「アルトバル国の貧困対策は遠江王国で行って来たのと同じ様にして行くと言うことですが。」
「ああ、まずは遠江王国国営遠江株式会社の支社を置き現地社員を募集し教育する所からになる。」
「資金面は大丈夫なのですか?」
「初期投資は少し掛かるが、向こうの平均年収は日本の八分の一ぐらいなんだ、貧富の差が有ってのデータだからもう少し少なくても普通に暮らせるのではないかな。
 まずは、小さな工場を立ち上げるが、そこでの労働とは別にうちのYouTubeチャンネルに出て貰う。
 王家で働く人達としてセリフの無いエキストラとか、病人には病人の役をやって貰うみたいな感じでね、それに対する報酬を生活の足しにして貰うんだ。」
「それなら無理なくなのかな、歌はどうですか?」
「ミュージカルで僕らが歌って来たのとは趣が違うが、現地の歌をストリーに組み込み貧困層の子ども達に歌って貰おうかと、その報酬を増やせるかどうかは演出次第だから、次郎兄さんは視察旅行中に子ども達の歌を沢山聴いて来ると話してたよ。」
「素朴さを前面に出してとか?」
「うん、スタッフが録音した中に言葉が分からなくても胸に響く歌声が有り、演出に成功すればアルトバル国にとって大きな財産になる可能性を秘めているんだ。」
「その演出が難しいのですね。」
「エスニック音楽に興味を持ってる人は多くない、ただ、それだけに耳新しく感じて貰える可能性が有る、次郎兄さんは貧困対策の費用ぐらいは簡単に稼げるかもって。」
「簡単にですか…、さくらチャンネルでは視聴回数が伸びると思ってたのが全然ダメだったりしてるのですけど。」
「それでも充分稼げているだろ、全体では上手く行ってるのだからな。」
「確かにそうですね、新しく上げたものだけでなく過去のを見て下さる方がそれなりに、動画の本数が増えるにつれ総視聴回数の伸びが加速して来ました。」
「そこが強みだよな、テレビ番組は多くの人が見るのだろうが、放送されるのは一回だけのことも有る、だがYouTubeは何時でも何回でも見られるから過去に上げた作品の視聴回数も伸びる。
 人気の有るチャンネルにとって過去作は財産なんだ。」
「そこを、新たなヒット作を出したいと言う思いが後押ししてますからね。」
「うん、チーム妹には感謝しかないよ、さくらチャンネルと輝きチャンネル中心に活躍してくれてて。
 特に輝きチャンネルは内容が地味目だから、チーム妹の出演が無かったら全然伸びなかったと思うんだ。」
「そうでしょうか、お兄さまの出演回はぐっと跳ねてます。」
「いやいや、毎回出られる訳ではないからな、チーム妹の力は大きいよ。」
「チャンネルの多さによる相乗効果も有りますね、東京に住む祖父は空いた時間には私たち関係のチャンネルを見てるから、ニュースや天気予報以外のテレビ番組はほとんど見なくなったそうです、遠江王国への関心は高まるばかりだそうで。」
「定年退職後はこちらへ移住とか?」
「かも知れません。」
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