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バトル-181 [高校生バトル-19]

「お兄さま、国旗の案は日の出をモチーフにしたものが有力みたいですね。」
「ああ、日出処の天子と言うのから思い付いたと聞いてる。
 日本国の日の丸と関連させながら、これから上って行くイメージ、日没と捉えられたとしても適当な理由は付けられるだろう。
 あのデザイン、景子はどう思う?」
「良いと思います、国旗はシンプルなのが良いと思いますが、三色の縦縞や横縞ではどこの国旗か覚えにくいですからね。」
「問題は国名だが意見が分かれてしまって、飛びぬけた案が有れば決まり易いのだけど。」
「やはり投票で決定ですか?」
「そうなるね、市議会議員選挙に合わせて、独立運動に対しての賛否、国王選挙、国名や国旗などの投票を一度に行う。」
「もし、独立運動に対して反対する票が多かったらどうしますか?」
「地道に理解をして貰う活動をして再度投票、と言うことになるけど、兄さん達が行ったアンケートでは八十%以上の人が賛成、過半数は超えると思うよ。
 完全独立を掲げていたら賛同者は少ないだろうが、僕らの構想は理解されつつ有る。」
「国歌候補の曲は歌われ始めていますものね。」
「ラジオでは結構流れているみたいだな、やはりプロの作る曲は違うよ、市内の地名が入れられたことで地元の人達は大喜び、あの国歌が独立運動に対する賛成者を増やしてるのは間違いないと思う。
 ただ…、今度、一緒に歌う事になってしまって…。」
「お兄さまでも、緊張なさるのですか?」
「するさ、相手は誰もが知る国民的スターだぞ。」
「あの方、ラジオ番組でお兄さまのことを良く話してるみたいですよ、可愛い弟だとか。」
「そうみたいだな、録音したのを少し聞かせて貰ったが恥ずかしくて…。」
「お会いした時には姉さんとか呼んで差し上げたのですか?」
「それぐらいのことはしないとね、色んな形で僕らの独立運動を後押しして下って感謝しかないだろ。」
「自称姉と妹が世界一多い人としてギネスブックに登録される話も有りましたね、どうなってます?」
「動いてはいるみたいだけど、どうやって判断するのか難しいだろ、私は姉ですや妹ですを短いコメント付きで集めると言う案が出てるが、どうなるのかな。」
「ふふ、他人事みたいに。」
「景子と違い、会ったことも無い人達を姉や妹とは認識しずらいだろ。
 チーム妹メンバーですら全員と話せそうにないのに。」
「ファン心理の延長なのですから、お兄さまは気になさらずとも良いのです。
 写真やポスターをどんどん出して儲けましょう。
 そのお金がどう使われるのか皆さん分かっているのですから遠慮は要りません。」
「ああ、それはうちの社員からも言われてる、写真立てとのセット販売とかもね。
 その辺りで、チーム妹全員に服をプレゼントする予算は余裕で確保出来そうだよ。」
「人数が人数なだけにかなりの金額になるのでは有りませんか?」
「確かに安くないのだけど、それによって僕らの国の業者が儲かるのだから問題ない、極力国産の材料を使って貰うと言う方針で話を進めて貰ってるから波及効果もね。
 それに販売店を通さない分、割安なんだ。」
「そうでした、完成したら縫製工場へ取りに行く形で販売コストが極端に抑えられるのですね。」
「縫製工場へはうちの会社から応援を送り込んで完成品の袋詰めや学校ごとに仕分けの作業を担当して貰う話も進めていてね。
 こちらが支払うお金の一部は報酬として戻って来ることになる。」
「その分を値引きして貰うでは無いのですね。」
「敢えてね。」
「ベースのデザインは限られてるけど、一着ずつ個性を出して行くと言うスタイルは他でも採用されるでしょうか?」
「それはチーム妹のメンバー次第ではないかな。
 上手くグループで着こなして街を歩いてくれたら、自分達もとなるかも知れない。
 一着ずつ違うのに全員が同じチームメンバーだと分かるってお洒落だろ。
 景子達にサンプルとして作って貰ったのは似合ってたし。」
「もしかしてチーム妹全員がサンプルを着ると言うかお店のマネキン替わりだとか。」
「まあ、そう言うことだから、お金のことは気にしなくて良いからね。
 でも、初期投資が回収出来たら嬉しくは有る。」
「分かりました、企画が本格スタートしたら皆にもその様に、もし私達以外の人達が同じ様な…、特殊な制服をと考え欲しいとなったら、その窓口はどこになるのですか?」
「うちの会社が販売代理店になってデザインから製造までを引き受けることになる、今の所反響が読めないから、どんな展開になって行くかは分からないのだけど。」
「う~ん、私達のサンプルは結構評判が良くて新しい制服のスタイルとして面白いと大人達からも言われてます、ちょっと見せびらかしただけですが。
 本気で販売展開して行くので有れば、チーム妹さくらチャンネルでも宣伝して行きますよ。」
「うん、頼む、今回関わって貰う縫製工場を安定させたくてね。
 国内の会社が業績を伸ばしてくれたら国が活気付くだろ。」
「私達が自費でもう一着追加注文と言いことはどうですか?」
「そうだな、二着目を注文出来る体制にするよう、お願いしておくよ。」
「チーム以外の人が着るのはどうします?」
「う~ん、チームの制服と言う位置づけにするか…、国民服みたいな位置づけにするかで…、景子はどう思う?」
「そうですね…、誰でも着て良いとしたらどうなるのか見たいかもです。」
「確かにな、うん、その方向で行こう。」
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