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バトル-180 [高校生バトル-18]

「ねえ、春子姉さん、独立宣言第一弾を、独立度一%と銘打って宣言しちゃうってどうかな?」
「ふふ、独立度か、そう言った宣言をして行けば私達が完全独立を目指している訳では無いと理解され易いかもね。
 まずは独立度一%で何を主張するの?」
「国名の発表と市民祭改め建国祭の開催かな。」
「国名の案は色々出てるけど、どうやって決める?」
「案を整理し、国民に投票して貰ってと言うのが一番無難かな。
 それぞれの案については、英語表記も含め国名として問題無いか調べて貰ってるんだ。」
「王政にするか共和制にするかでは、圧倒的に王政を推す声が多いけど、それも投票して貰うの?」
「王政の場合でも国王は選挙で選ばれるのだから、どちらでも似たようなもの、それなら王政の方が面白いと言う話で形だけの投票になるけど、手続きとしては必要だよね。
 まずは日本国と違う制度に向けてスタートすると言うことで、独立度一%から。」
「そうね、ただ国民に投票して貰ったものに法的な意味合いを持たせるには、住民投票に関する市の条例を修正するところから始めなくてはならないのよ。
 市民の賛成多数でスタートする独立運動と言う形が望ましいでしょ。」
「そっか…、お父さんは?」
「市長はちゃんと考えて準備してるわよ、まずは独立運動を市の活性化策として市民に認めて貰わないと、その為には多くの説明が必要になる、多くの誤解を生みかねない取り組みだからね。」
「だよな、お遊びと大真面目なことが入り混じっていて、そこが面白いのだけどお年寄りには分かって貰えないかも。」
「だからこそ公式な住民投票で色々決めて行くべきなのよ。」
「そうなると何度も投票して貰う訳には行かないから、一工夫が必要になるね。」
「ええ、お父さんには市議会議員選挙と同日投票を提案しておいたのだけど、どう?」
「選挙までにはまだ時間が有るけど、それぐらいの準備期間は必要か。
 住民投票の結果を受けて、独立度五%ぐらいの独立宣言が出来たら良いな。」
「独立宣言第一弾の話を含めて一度相談しないとね。
 私は住民投票に向けてのプロセスをまとめておくわ。」
「うん、僕は、独立宣言第一弾で市民が独立運動に賛成してくれる様に言葉を検討してみるよ。
 まずは独立国ごっこで地域の活性化を図ります、みたいな。」
「そうね、遊び感覚で広め、少しずつ真面目な内容を盛り込んで行くのがベターだと思う。
 その間に三郎の会社も落ち着くでしょ。」
「多分ね、ただ思ってたより利益が出て、社員一同ハンディを持つ人をもっと多く安心して受け入れて行ける体制をと考え、規模の拡大を目論んでいてね、落ち着くのは少し先になるかも。」
「拡大して行くとなると、追加で資金を確保する必要は?」
「大丈夫だよ、しばらくは出費ばかりだと思ってた農業公園の野菜販売が好調で赤字の幅を減らし、YouTubeチャンネルの収益でしっかり補填しきれてるからね。
 他の部門は実力の有る人が力を発揮してみんなを引っ張ってくれてるんだ。
 僕らの考えに賛同し転職して来て下さった人達には感謝しかないよ。」
「訳アリ社員達は問題を起こしたりしてないの?」
「今の所は想定内だと聞いてる、どんな人でも切り捨てることなく、幹部は作業グループに馴染めない人には別作業への移動を提案したりしていてね、その為に余分な労力が掛かっても利益を追求するだけの会社では無いのだからと。」
「今の所は理想の形に近いのかしら?」
「幹部の意識は高くて、理想的な形を検討しつつ、それを長く維持出来る方策も考えていてくれてる。
 収入よりも遣り甲斐を求めて転職して来て下さった人はホントに素敵な人達なんだ。」
「それなら三郎は独立国ごっこに力を入れていても大丈夫そうね。」
「ああ、世界中で唯一無二の国立企業にすると皆さん意気込んでおられるからな。」
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