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バトル-172 [高校生バトル-18]

「一郎兄さん、宅配請負会社のシステムは難しそう?」
「宅配便を扱ってる会社の各システムとスムーズにやり取り出来なくてはならないだろ、一社ずつと交渉してだから先方次第で時間は掛かる、でも、大手のシステムは安心感が有るから何とかなると思うよ、それより各社との交渉の方は進んでいるのか?」
「大手の一社は元々宅配を請負中心に展開しているから話が早いみたい、このエリアは四社が請け負ってるそうだからそことも交渉だけど、市内の宅配を一括管理する核になって欲しいと言えば嫌とは言えないでしょ。」
「だろうな、大いなる無駄を省く取り組み、実現すれば各地に広がるかも知れない。
 それだけにシステム構築で失敗は許されないのだけどな。」
「成功させないとね、宅配事業を展開している各社がそれぞれ配達しているのを、市内全域一括して請け負うだけで、燃料費や人件費が抑えられる。
 受け取る側も楽になる様に宅配ボックスのレンタルやリースを検討し、再配達になりにくいシステムも、温暖化対策の一環として是非とも。」
「統合によって車一台の配達エリアを狭く出来ることは大きいからな、場所によっては都会の一部同様、車を使わないリヤカーなどでの配達の方が効率的になると思うよ。」
「人力に頼った?」
「自動車を使った所で車を止めた後は人力だからな。
 都心部や人口密集地では自動車に掛かる経費と作業効率を考えたらリヤカーや台車で配達した方が良いみたいだよ。」
「そっか、ここでは市の中心部でも荷物がまとまらないと効率が悪くて導入出来そうにないね。」
「なあ、宅配請負会社の設立に合わせて各宅配業者の集荷代行、店舗や企業向けの納品代行と言うのはどうだ?」
「えっと…、集荷代行はシステム的に可能ならと思うけど…、納品代行って?」
「例えば百貨店へ納品する場合、納品業者にとっては手間が掛かる場合が有り、百貨店側としても多くの納品を捌くのは手間が掛かる、そこで納品代行業者が存在するんだ。
 納品に宅配便などを使ってる所も有るが、今まで個別の会社がそれぞれに納品して来た所をうちで請け負えば、受け取る側の作業効率を上げられると思ってね。」
「複雑にはならないの?」
「確かに複雑になりシステムを構築して行くのに時間は掛かるが、納品の効率を上げられれば需要は有る、物流のサポート企業として宅配請負会社を発展させた形をイメージしてるんだ。
 多くの納品業者や運送業者を相手にして来た大型店などにとって、そこを整理することが出来たら効率が大幅に改善される筈でね。
 伝票の書式一つにしても企業によってまちまち、大型店の指定に従ってる様な会社は取引先ごとに異なる処理をしていたり、そこまで業者に強く出られない規模の店では複数の納入業者から様々なフォーマットで送られて来る伝票の処理に手間が掛かったりしてる。
 その手間をこちらで一括管理するシステムを構築出来たらと考えていてね。」
「そう言う感じなのか、自分でも調べてみるよ。
 上手く進められたら、物流革命と言えるレベルになって行くのかな。」
「ああ、各種企業を多数巻き込んでの実証実験から始めることになるが、我々の国と日本との違いを見せ付ける材料になる、こう言った内容なら協力してくれる企業は有るだろ。」
「はは、心当たりは有るよ。」
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