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バトル-171 [高校生バトル-18]

「お兄さま、自動車会社の社長さんとは如何でした?」
「凄く前向きな話が沢山出来たよ、社長は事前に独立国のことも調べて下さっていてね。
 こちらが事前に提示しておいたプラン以上のビジョンを用意しておられたんだ。
 詩織が心配してた様な怖い人ではなく、気さくに話して頂けたよ。」
「へ~、お堅い感じではなかったのですね。」
「ああ、僕の提案を真正面から受け止め、それに対して既に部下を動かし始めてみえてね、自然豊かな未来型都市国家造りに向けて随分語り合えたんだ。」
「うわっ、何かかっこいい、未来型か…。」
「かっこいいのは言葉だけではなく、あまり活用されてない市内の土地を買い取り整備し丸ごと新しい街づくりのサンプルにしようとの提案が有ってね。」
「えっ、丸ごと?」
「独立運動で注目が集まるとこへ、更に大企業のビッグプロジェクトを立ち上げると言う考えなんだ。
 会社としては燃料電池車や電気自動車の普及、それに伴う施設の充実、車の自動運転や安全装置の実証実験の場として、既存の街を再開発しながら情報発信出来ればと考えておられ、そこが理想的な住空間となるには豊かな自然も必要だからと山も含めてね。
 一部は以前から社内で検討してたそうで、僕からの化石燃料に頼らない国造りの提案は渡りに船だったとか。」
「なんか凄い話しなのですが…。」
「話をまとめて市長とも交渉すると話しておられた。
 自動車だけでなく、色んなタイプの移動手段を街中、いや国中に作り新交通システムの見本に、導入を検討する国や自治体が実際に運用されている光景を見られる場としてね。
 事業計画は長期に渡る物になるけど、その一つ一つの事業を、うちの英語チャンネルで紹介して行けばビジネスチャンスが広がり、多額の投資をしても利益に繋げられると話しておられたよ。
 勿論観光客を呼び込むこともね。」
「街が凄く変わるのですか…。」
「ああ、でも、自然は守られる、静かに暮らしたい人向けの住宅地も必要かな。」
「それは、独立宣言しちゃうかも宣言、に合わせての発表に?」
「多分ね、実際に設計が進み工事が始まるのは先のことだけど、準備は進み始めてる。」
「資金が凄く必要になる話しですよね。」
「そこは大丈夫だろう、一度に作る訳ではないし、あそこは毎年小さな国の国家予算を上回る利益を出してる企業だからな。
 本来なら市の財政で建設するような施設でも交通システムのサンプルとして建設、私営の交通機関として充実させて行くことになる、他の企業とも手を組み最新の技術を使ってね。」
「お兄さまは独立する国家の目標として化石燃料依存率を下げるとし、その実現に向けての交渉にと面会のお願いをしたのですから大成功と言う事ですね。」
「うん、こちらから面会を申し込んだのだけど、社長も僕と話がしたかったそうだ。
 詩織、先方としては、ここで展開して行けばPR効果が最大限に期待出来ると言う事も忘れないでくれよ、そう思って貰えたのには詩織の力も有ったのだからな。」
「英語チャンネルに上げたドラマ風CMはCMなのに視聴回数がうんと伸びてるものね。
 普通のドラマだけど車の宣伝、主役がスマートに車に搭載されてる機能を使いこなす姿が恰好よく演出されていて、でも、あれで自動車が売れたりしたのかな?」
「売れてるみたいだよ、英語圏の販売店から第二弾を制作して欲しいと言う声が寄せられてるそうで、次回作の話もお願いされたんだ。」
「ふふ、また儲かってしまうのね。」
「人件費はこの先増える一方だから稼がないとな。」
「お兄さまの会社は国営企業になるのですか?」
「そうなるね、日本からの独立を含め色々ややこしい問題が有るのだけど、最悪の場合でも国名を冠した社名にし、社会福祉の分野で日本の二歩先を行く象徴にしたいと考えてる。」
「教育も日本の一歩先に進めるのでしたね。」
「ああ、僕らの国では様々な分野で実証実験を行って行くことになる。
 その為には詩織の力も必要だからな。」
「任せといて、ねえ、この話ってチーム妹のみんなに話して良いの?」
「そうだな…、まだ正式に決まった話ではないが…、噂が広がって市民がどんな反応を示すかには興味が有ると言うことでどうだ?」
「了解、正式に決定された事ではないと強調した上で、家族の反応とかをみんなから聞けば良いのね。」
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