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バトル-168 [高校生バトル-17]

「お兄さま、いきなり独立国だなんて、父は想定の斜め上を行くって言いながら可能性を考えていましたよ。」
「景子のお父さんも興味を持ってくれたんだ。」
「まだ簡単な話しだけで判断出来ないと言ってましたが、どこから出て来た話なのです?」
「ちょっとした思い付きだよ、市営企業化の話がなかなか進まないと市長と話してる時にね。
 それを考え始めたら面白くなってさ、少なくとも市が注目を集めることになるだろ、市営企業の話ですでに注目され始めてるし、僕らの資金源がYouTubeってことでも話題になってる、それによる経済効果は小さくないと思うんだ。」
「王政なら市長さんが王様、そうなるとお兄さまは王子様になるのですね。」
「はは、そんな風に皆が考えてくれたらそれだけでも楽しいだろ。
 市営を目指す会社は社会主義的、資金は資本主義の象徴みたいなYouTubeから。
 バーチャル国家だとしても国際社会に対して、ただの地方都市とは大きく違う扱われ方をされる様な演出を、僕らの最大の武器である英語チャンネルを使えば出来ると思わないか?」
「国って…、小さな国も有りますものね。」
「多くの国が国として認めてくれたら国と言って良いのかも、そうなったら景子は国を代表して国連に行ってくれるか?」
「そんな感じなのですか?」
「そんな感じにしてしまいたくないか?」
「したいような、でも私は国連には行きませんよ。」
「何事も経験だぞ。」
「まだ、英語が…、ってそんな問題では有りません!
 危うく現実から離れてしまう所でした。」
「それぐらい、夢の有る面白い話だろ。」
「ですね。
 でも実際問題、日本国籍を有する私達はどうなるのです?」
「まずは日本国に対し、我が国との二重国籍を認めさせる。
 次の選挙で僕らの党が勝てば不可能な話ではない。」
「税制は…?」
「我々は前例に囚われる必要はない、日本国との間で互いに納得出来る制度を確立し相互の利益に反しない国政を考えて行けば良いだろう。」
「まさか、二つの国に税金を納めるなんてことには成りませんよね。」
「そこまでは考えてないけど…、何人かの大金持ちが協力してくれて日本国との関係を見直せられたら面白い、まあ、今は現実的に無理のない形で独立運動を始めたいかな。」
「独立運動か…。」
「今の日本が嫌だって感じで、真面目なのか遊び半分なのか微妙な感じにしてさ。
 時々の都合によって、日本の一自治体だったり独立国家になったり。
 具体的には話を進めてみないと、どうなるか分からないけど。」
「ふざけるなって怒られたりしませんか?」
「怒られたって良いじゃないか、こうでもして行かないと地方都市は衰退して行く一方だよ、この辺りはまだましな方さ。
 そうだな、大金持ちの協力者を探して他の市町村も独立国入りして貰おうか。
 土地が繋がってなくても構わない、いっそ海外の都市も含めて連合国なんてどうだ。」
「ただでさえ有り得ない話なのですけど…。」
「それは景子が今までの概念に囚われているからだよ。
 今まで無かった物を生み出して人類は進歩して来たのだからね。
 既存の国家とは異なる体制、既存の国家の問題点を見直し改善して行く道しるべになる様な独立国、国家として認められたら面白いけど、法律上認められなくたって構わない。
 僕らが国として色々考えることを発信して行けたら面白いだろ。
 世界で一番素敵な街を目指して来たのだけど、その街が小さな国になるだけのことさ。」
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