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バトル-165 [高校生バトル-17]

「三郎、新会社の給与体系は固まったのか?」
「うん、お父さん、少し複雑になるけど皆さんに納得して貰えそうな形を考えたよ。
 先を見越し力のある人は市の職員と同じにし後はランク付けを行ったけど、最低の人でもそれぞれの事情に合わせ生活に余裕が出来る様にするんだ。
 浪費癖の有る人は給料の一部を食品や日用品など物で支給、本人の同意が無ければ法的に問題が有るのだけど、サポートの人が暫くお金の管理をして行くことになりそう。
 サポートメンバーは、ギャンブル依存やアルコール依存の人をどうサポートして行くか、現実に即した家族へのサポートも含めて検討し始めていてね。」
「自力ではどうにもならない人達への支援か。
 もしかして、酔っぱらいながら働いてる人もいるのか?」
「うん、本人は一応隠そうとしてるみたいだけど、お酒の匂いはしていても普通に働いてるそうで、生活が改善される可能性が有るとサポートは考えてる。
 しばらくは事故に気を付けながら様子を見ると報告に有ったよ。」
「報告か…、そう言った報告は簡潔に?」
「沢山報告されてもこちらが困るし、報告に作業時間を取られるなんて馬鹿らしいことだと考えて貰ってる。
 社長が本当に知っていなくてはならない事だけを簡潔に報告、僕が社員全員にお願いしたことだよ。
 僕宛の報告は社員全員での共有が原則だけど、隠す必要が有る報告の存在は納得して貰えてると思う。」
「隠す?」
「多くは無いけど人事面に関する事はさすがにね、今は少ないけど社員が増えたら当然増えて行くでしょ、今後人事部には有能な人をと考えてるよ。」
「有能な人も集まりつつ有るのか?」
「始まったばかりの特殊な会社で、やりがいを感じられそうと言う人が、利益を出せるか微妙な農業公園事業を支えたいと入社してくれてる。
 考えてみたら、普通に販売の仕事をすることが社会的弱者の為になる職場ってそんなにないでしょ。
 どうせ働くなら人の為になる仕事をしたいと考える人がアルバイトから正社員にと入社して来てる。
 詐欺ではないけど、人をだます様な仕事をして後ろめたい思いをして来たと言う人からの打診も有ってさ、会社が回り始めたら、そう言う人が増えるかもね。」
「業務拡大も視野に入れられそうだな。」
「うん、民間企業を圧迫しない業種を中心に検討してるけど、場合によっては経営状態の悪い企業を子会社にすることも考えてるよ。」
「私的に立ち上げた保育所は、会社が運営する認定こども園にして行く予定だろ、多角経営になるが無理はないのか?」
「多角経営になるけど、それぞれの事業は有機的に結びついてるからね。
 認定こども園では社員の子も預かって行くし、シングルマザーの職場にもなる。
 会社が市営になれたら、子ども園の給食を給食センターで下ごしらえをして貰うとかもね。
 勿論、食材は農業公園で採れたものや地元の農家から買い付けたものが中心。
 他の業種を始める時は既存の会社を子会社化だから一からのスタートにはならない。
 市長の目から見てどう?」
「心配はしてないよ、人気YouTubeチャンネルを新会社の物にしたことで資金的な問題はないだろ。
 三郎が無理のないように社員を見守っていると、まあ色々聞いてるからな。
 新会社が赤字にならずに長く続いたら、自然と市の財政が改善されて行くと思う。
 市内の心有る人全員が三郎を応援してるのだから間違いはないだろう。」
「はは、皆が尊敬する市長の息子だからね。」
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