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バトル-164 [高校生バトル-17]

「三郎、総合公園からの遊歩道をと考えて購入した土地の整備計画は決まったの?」
「うん、大まかなのはね、春子姉さんの提案通り防火帯を兼ね車の通れる幅での林道整備から始めるよ、今は削ったり盛ったりの作業を最低限に出来るルートを検討中なんだ。」
「費用は随分掛かりそうね。」
「それでも、地元の会社を潤すことになるからね。
 長く続けられる事業になるよう計画的にだけど、工期をきっちり決める必要はないから他の仕事が少ない時に一気に作業とかが可能でしょ、お願いする建設会社の社長も喜んでたよ。
 それで、猪やスズメバチの駆除もしてくれることになってね、完璧には無理かもだけど、観光客の安全を考えるだけでなく、農業公園が被害に遭わない為にもね。
 総合公園の近くにジビエ料理を出す店を共同出資で始めようって話や、林道の終点にログハウスを建て、管理作業の拠点にしながら、お客さん向けの施設も考えようって。
 社長はすごく前向きで、友達にも声を掛け僕らの費用負担が多くならない様にすると話してくれたんだ。」
「安定した収入が見込めるのなら、そう言う余裕が生まれるってことかしら。」
「だと思う、従業員が安心して働けるのが一番だと、体力の有りそうな人なら刑務所から出所した人でも受け入れられるそうだよ。」
「新会社だけで受け入れて行くより良いわね、辞めたくなった人には互いを紹介するのも有りだわ。
 そんな形で私達の考えに同調してくれる企業を増やせたら心強いわね。」
「うん、人口の減少に歯止めを掛けるどころか人口の増加に繋がるかも。
 県外からの問い合わせも来始めていてね。」
「現時点では市内在住の人が優先なのでしょ?」
「そうしなくても大丈夫みたい、授産所と連携することで、うちが直接雇用しなくてもサポート体制の有る人にも援助出来そうでね。
 市外からの問い合わせは殆どが農業に興味の有る党員だから、積極的に受け入れるべきだと思ってる。
 勿論、市内在住の人と違い、面接での人物判断を重視することなるけどね。」
「市外からは新会社で利益を出して行くために必要な人材をと言うことか…、ねえ、市内の希望者全員を受け入れると言う方針は大丈夫そう?」
「今の所はね、研修に時間が掛かる人はいるけど想定の範囲内に納まってる。
 研修には授産所の職員も協力してくれてるからね。
 サポートスタッフは、すごく地道な研修のポイントを教えて貰いながら学習を深めてるそうだよ。」
「大変そうね。」
「それでも、うちは資金に余裕が有るからね、授産所の職員も市長が変わってから経済面が楽になったと喜んでた。
 前市長はどうでもいいモニュメントに金を掛け過ぎてたとかで、お父さんのことを褒めまくってたよ。」
「でしょうね、私達の市長が一番始めに手を付けたのが社会的弱者に対する支援だったのだから。」
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