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バトル-162 [高校生バトル-17]

「お兄さま、新会社ではフリーターも受け入れて行くのですね。」
「うん、一度就職したけど辞めてアルバイトしてる様な人は積極的に受け入れて行きたいよ、安定した生活をして貰って結婚や子育てを考えられる様にね、授産所との連携も大切だけど利益を上げる為の労働力は必要だからな。
 母子生活の支援も準備を進めてるが、シングルマザーには子どもを第一に考えて欲しいだろ、そうなるとフリーターから正社員になってくれる人は一番の労働力になると思うんだ。」
「フリーターの人達って仕事に対する気持ちはどうなのかしら?」
「景子、聞いた話だけど、バイトをきっちりこなしてる人は少なくないみたいだよ、仕事に対するプライドも有ってね、勿論人それぞれでアルバイトが長続きしない人もいるのだけど。」
「正社員になってない理由も人それぞれなのかな。」
「だと思う、だからフリーターの方が気楽で良いと言う人にも働いて貰い易い形を考えているんだ。
 原則同一労働同一賃金、働ける人にはどんな形で有れ労働に見合った賃金をと考えてる。
 会社が本格的に動き始めないと決まらないことも多いけどね。」
「来月一日付けでスタートですよね、会社の形は出来ているのですか?」
「まだYouTube部門みたいに応援者だけで成り立って所が多いけど、なんとかな。
 農業公園の一角は方針を決定し、第一期の社員達に整備を始めて貰ってる。
 でも、サツマイモの植え付けは五月ぐらいだから、景子が楽しみにしてる焼き芋までには時間が掛かりそうだよ。」
「一応チーム妹でサツマイモ栽培を体験し芋掘りからの焼き芋って話は進めてるのですが。」
「農業公園にチーム妹の畑を確保しておくよ、日頃の手入れは社員にやって貰い、時々観察に行く形にしよう、観察に行った時のおやつになるものは順次植えられて行くからね。」
「整備には時間が掛かるのですよね。」
「まあな、それでも全体の整備計画がまとまったら一気に進めて行く、今まで総合公園の周囲で手に入れて来た土地はそれなりに広いから、一気にやった方が効率的なんだ。
 チーム妹がYouTubeのチャンネルで稼いでくれ、予算に余裕が有るからな。」
「あの金額は全然思ってなかったです、皆素人で…。」
「日本の普通の女子中学生に世界中の人が興味を持ってるみたいだけど、演出の力が大きいんだ。
 演出の仕方を間違えていたら全然見て貰えなかっただろうけど、うちのスタッフは慣れてるからね。
 そこにフリーターからの人材を加え、更に充実させて行けば安定した収入になると思う。」
「YouTubeからの収入が無かったら会社の運営は難しいですか?」
「そうだな、やり方は他にも有るだろうが効率は悪いだろう、他の市では真似しにくいとは思うが活動内容によってはスポンサーについて貰うと言う手も有る。」
「チーム妹さくらチャンネルには固定のスポンサーがついて下さるそうですが、新会社の輝きチャンネルはどうなのです?」
「打診は幾つか来てるよ、今までテレビコマーシャルに掛けていた予算をこっちに回してくれるそうだ、うちは関連チャンネルが増えて相乗効果を生み出しているだろ。
 人気の出て来たさくらチャンネルの姉妹チャンネルとして宣伝効果が期待されていてね。」
「そう言えば、海外向けチャンネル、日本製品のCMが増えましたね。」
「ああ、海外向けも好調だろ、海外にアピール出来る手段として注目され始めてるんだ、手軽だからな。
 英語圏を意識して成功してるチャンネル、日本ではうちぐらいだろ、今度、自動車のCMをドラマ仕立で制作する話も決まってね、普通のドラマなんだけど自動車を使うシーンがやたら多く、ドラマを楽しんでる内にその車が欲しくなるようなのをな。」
「ふふ、また儲かってしまうのですね。
 でも、それを、どんどん社会に還元してるからみんなが協力したくなる。
 父はこの地にとって絶大な経済効果をもたらしているのだから、お兄さま方にはもっと贅沢な暮らしをして欲しいものだと話していました。」
「はは、贅沢はしてるけど、起きて半畳寝て一畳、天下取っても二合半って知ってるか?」
「えっと…、人の生活に必要なのはってことですか、二合半と言うのは…。」
「ああ、体育館程の寝室が有った所で疲れるだけ、二合半は米の量、徳川家康だって大量のご飯を食べてた訳ではないだろ、普通に暮らして行くのに、お小遣いが一億有ってもね、自分はもう家も建てたし必要な物は手に入れてる。
 豪邸に住んだところで実際に使うスペースなんてそんなに広さを必要としないのさ。
 それより、貧富の差のない明るい街に住むことの方が重要だと思うんだ。
 その為にね。」
「世界中の大金持ちが、お兄さまと同じように考えてたらと思ってしまいます…。」
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