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バトル-161 [高校生バトル-17]

「三郎、給食センターの仕入れ担当が納入業者からお金を受け取ってた話は聞いたか?」
「聞いたよ次郎兄さん、その分食材が割高になっていたとか、逮捕される可能性が高いのでしょ。」
「ああ、新会社が食材の納入に関わることを想定し調査してる時、少し納入価格が割高なのに気付き調べたら怪しいと、担当スタッフの目が節穴でなくて良かったよ、おかげで給食センターの改革にも取り組めるからな。」
「隙をついて新会社が給食センターの仕入れに関われそうだものね。
 YouTubeほどの利益は出せないとは言え地道に稼いで行きたし地産地消を進めたい。
 他県の食材を割高に買うぐらいなら地元の食材をと言うことで、地元食材の買い付けから納品までのシステムを検討して貰ってるんだ。」
「物によっては大量に仕入れ、他にも卸して行くのだろ。
 その辺りは上手く行きそうなのか?」
「損失を出さない様に気を付けながら試して行くしかなさそう、でも、地元を盛り上げようと言う気運は続いてるからね。
 流通経路の確認作業は大学生部会が担当していて、そのまま再構築の案を出してくれることになってるよ。」
「JAとの関係はどうなんだ?」
「問題は有りそうだけど、僕らの仲間は至る所にいるからね。
 新会社が民間企業に大きな不利益を与えるのは良くない、でも、それが地元の会社でないのなら気にし過ぎる必要はないでしょ。
 地元のJAとは協力関係を築き、地元企業や地元農家を優先して行けば、市営企業の意味合いも分かって貰えると思うんだ。」
「特殊な会社だからな、新会社立ち上げ準備で問題はないのか?」
「手伝ってくれてる人達が組織を形作った所だよ、幾つかの部署が編成されてるけど、まだ部長代理とか課長代理とか、大学生が平社員代理なんて名乗ってる段階だけどね。」
「はは、代理が付かないのは何人なんだ?」
「ようやく二十人と言った所かな、役職者は坂田さんが農業公園準備室の係長で、自営業の継続を断念した人が販売部門の係長、今は全員が研修中だよ。」
「生活保護世帯の人はどうだ?」
「それぞれ事情を抱えてる人が九人、大学生が現状を聞き取り問題点の整理を始めてる。
 現時点でも五十人ぐらいまでなら生活保護費以上の援助が出来るから、生活保護は打ち切って貰うけどね。」
「労働力にはなるのか?」
「問題の無い人もいれば給料に見合った仕事量は難しい人も、でもハンディを持った人の中には研修を始めて状態が良くなってる人もいてね、まだサポートは必要だけど。」
「ハンディを抱えサポートが必要と言うことなんだな。」
「うん、市営の会社になるまででも、サポートして下さる方々の身分を市が保証する形が望ましいと、お父さんには話してある。
 今は半分ボランティアで、待遇面の調整を進めている最中なのだけど、サポートの仕方も様々で一律とはしにくい一面が有ってさ、でも複雑にはしたくないでしょ。
 皆さん、新会社がハンディを持つ人達を取り巻く現行制度に、新たな可能性を加えられないかと考えておられ、前向きに検討して頂いてる段階なんだ。」
「そうか、難しい所だな。」
「鍵を握りそうなのは元受刑者。」
「応募が有ったのか。」
「経済的に安定したら更生出来るだろうと、三人紹介されてね。」
「凶悪犯では無いのだな。」
「うん、能力に問題はなく、研修中も他の人の手伝いをしてくれてるそうで、リーダーを任せられそうな人もいるみたいなんだ。」
「再び犯罪を犯す可能性は低いのか?」
「今回の三人はね。」
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