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バトル-157 [高校生バトル-16]

「三郎、この前市営企業の話をしてただろ、それについて私の周囲では意見が割れたよ。
 民間を圧迫してはならないとか、収益性に疑問が有り赤字の場合、市の予算で補填することになるのはどうかなんて意見が有った。
  でも、チーム牧村のメンバーからは肯定的な意見が多く、刑務所からの出所者受け入れは再犯率を下げる為にも是非と言う言葉が聞かれたよ。」
「市長が提案する事業としては難しそうなの?」
「三郎の話として、初期投資はうちからの寄付である程度賄えると伝えた所、三郎が顧問かオブザーバーの形でも良いから経営に参加してくれるのならと言う話が出てな、ホントは社長になって欲しいそうだが。」
「案だけ出して頑張って下さいでは無責任だものね、でも市長の息子が絡んで批判されないのかな?」
「実際にスタートさせるとしたら、法的な問題も含めてあちこちに確認するが、三郎には今までの実績が有る、市営企業の高校生社長となったら話題性は抜群、高校生部会中心に頼まなくてもサポートしてくれる人は沢山いるだろ。」
「そうだね、最近は海外からも手伝いたいと言うメッセージが届くよ。」
「頼むのか?」
「うん、その人の住む街を紹介して貰うとかね。
 日本からの発信だけでは無くなって行くと、更に登録者数が増え視聴回数が伸びるかもでしょ。
 そのまま市営企業で展開する新チャンネルのコンテンツを充実させることに繋がって行けるかも知れないよ。」
「手伝って貰うだけで良いのか?」
「勿論ギブアンドテイクは考えてる、貿易も体験したいしね。」
「その分リスクが増えることになるな。」
「小さく始めてみて利益が出たら拡大、今までと同じように取り組んで行けば失敗しても損失を抑え気味に出来ると思う。
 相手の利益に気を掛けていれば…、大きな取引は互いに信頼出来る関係になってからだね。」
「そういう事業だと、職場の確保と言う意味合いでは大勢は雇えそうにないな。」
「商売で稼ぎながら、会社の事業としては農業公園を展開出来たらどうかと思うんだ。」
「農業公園?」
「普通に農業をやっても利益率は低いでしょ、そこを敢えて同一作物を大規模にするのでは無く、多くの作物を比較的狭い畑毎に栽培し、野菜が畑でどんな風に育ってるのか見ることが出来たり、芋掘りやミカン狩りなどの体験、採れた野菜の直売所を設けたり、採れたて野菜を使ったレストラン、お花畑エリアも作りたいかな。
 勿論花も販売して行く、公園で収穫した物は全部公園で販売だけど、それで売り切ることが難しければ市内を中心に移動販売を考えても良い、色々な品種を食べ比べ出来たりとかも面白くない?」
「土地は、確保済の所を?」
「元々総合公園周辺の美化を考えてたのだから一石二鳥だと思う。」
「農業従事者に販売員や料理人と従業員が多く必要になる訳か。」
「従業員の人数や能力によって規模を調整すれば良いと思うんだ。
 人手に余裕が有れば手間を掛け付加価値を、余裕がなければ、手間の掛からない花を一面に育てるとかで良いでしょ。」
「それが上手く展開出来たら市の観光スポットに出来るかもな。
 そこで採れた食材を使い、公園でバーベキューとかも、畜産にも取り組むのか?」
「においの問題や伝染病への配慮が必要になるけど、自分達が何を食べてるのか、子ども達に教える必要は有るからね。
 普段販売する肉は他で仕入れたものが中心になるかもだけど挑戦したい、鶏は放し飼い、カルガモ農法など草食動物による除草実験とかも。」
「企画はすでにまとまってるのか?」
「素案を高校生部会で発表しようと思う、そこでまとめ上げ、市議会に諮れるレベルにして貰おうと思ってる。」
「そうか、高校生部会で発表された段階で、関係部署にも動いて貰うことにするよ。
 ただ…。」
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