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バトル-156 [高校生バトル-16]

「お父さん、生活困窮世帯の児童を対象とした支援策を高校生部会と大学生部会が共同でまとめることになって少し調べたのだけど、この国の法律を作って来た人達の頭っておかしくない?」
「どんなとこがだ?」
「児童の定義さ、学校教育法ではおおむね六歳から十二歳まで、小学生をさす時によく使われているけど、児童福祉法などでは児童を満十八歳に満たない者、大体高校生以下でしょ、母子及び父子並びに寡婦福祉法では二十歳未満、児童扶養手当法だとゼロ歳から満十八歳に達して最初の三月三十一日を過ぎるまで。
 同じ様な意味でも、道路交通法では六歳以上十三歳未満、小学生とか、とかバラバラなんだ。」
「確かにそうだな、児童と言う言葉を小学生のつもりで聞いてたら高校生だと言うことが有ったよ。
 どうしてこうなってしまったのかは分からないが、普通なら統一した解釈で使われるべきだな。
 法律用語には一般的に使われてる意味と違うものも有り、それを見直そうと言う動きは有るみたいだが。」
「法律って変に解釈出来ない様にする必要が有るのだろうけど、わざと表現を分かりにくくして一般人が理解しにくい様にしてるのじゃないかな、法に関わる人の権威を守る為とかでさ。」
「かもな、私は間違える訳には行かないから、法律を確認する時には弁護士の先生に助言して貰ってるよ。」
「裁判では法解釈で争ったりもするのでしょ。」
「利害が絡むから少しでも自分の有利になるように必死なのだろう。
 それで、生活困窮世帯の児童への支援は満十八歳に満たない者と考えて良いのか?」
「高校生以下としたいから、ゼロ歳から満十八歳に達して最初の三月三十一日を過ぎるまでかな、ただ、高校を卒業しても支援を必要とする人はいるでしょ、上限をどこに置くかは予算にも影響して難しいよね。」
「そうだな、対象者数は当然変動する、私としては大学生を意識して二十四歳ぐらいまでにしても良いと思うのだが、議会は認めないだろう。」
「自立出来る年齢で、そこまで加えたら予算が多く掛かりそうだものね。
 それでさ、ぼんやり考えてたのは市営の会社を立ち上げてその予算を稼ぎ出すって方法なんだけど、どうかな。」
「ふむ、今は民営化が流行ってるが、その逆なのか?」
「勿論利益は追及するけど、もう一つの役割として低所得者層の雇用の場としてや、刑務所からの出所後が働き易い職場として、勿論障害者雇用もね。
 市営企業そのものが社会福祉の場となり利益を出すことが出来たら生活困窮世帯への支援にも充てられるでしょ。」
「業務内容はどんなのを考えてるんだ?」
「例えば販売会社、学校給食の食材を買い付け、給食センターへ効率良く納入すると共に、物によっては一括で多く買い付け市内のスーパーなどへも卸す、大量購入で単価が抑えられれば給食の質を更に上げられると思うし、給食のおかずとしてPRすれば子ども達が給食でどんなおかずを食べてるのか、そのままでは無いにしろ雰囲気ぐらいは親も味わえる。
 家庭で給食より美味しくアレンジとかしても面白いと思うんだ。」
「ふむ、ちょっと調べてみるよ。」
「後は、市の活性化に繋がる仕事を請け負ったりしても良いかな。
 仕事内容は社員次第、能力給や成果報酬を充実させる必要は有るだろうけど、営利を目的としながらも、それだけでは無く社員の生活を重視する企業って、民間では運営しにくいでしょ。
 うちみたいに右肩上がりで売り上げを伸ばしてる企業は更なる売り上げを目指して有能な人を求める、でも有能では無い人にも職場は必要でしょ。」
「赤字になる可能性をどう考える?」
「市長が社長か会長に就任すれば心配ないと思うのだけど、海外向けのYouTubeチャンネルを増やしてその制作を担当して貰っても良いかな。
 今あるチャンネルの姉妹チャンネルとして宣伝すれば、登録者数はすぐに増えるよ、キャストに関してはチーム妹メンバーに英語を頑張って貰ってるからね。」
「聞いたよ、チーム妹さくら組には努力目標として高校生バトルの英語で好成績を納めることが加えられたのだろ。
 負担になる子はいないのか?」
「大丈夫だよ、みんな学業をおろそかにしてないし、英語が苦手な子でもクリア出来る目標設定になってる、それより学習してる英語を実際に使える場が出来るのだから励みになると思わない?」
「そう言うことか、最近、チーム妹ひまわり組合唱団、通称ひまわり合唱団の歌を聴かせて貰ったが、秋の市民祭の時より格段に上手くなってた。
 三郎が上手に餌をちらつかせてるからなのか?」
「頑張らないと二軍、たんぽぽ組合唱団に落とされる、そのデメリットはひまわり合唱団を指揮して下さってる素敵で力の有る音大の先生から指導を受けられなくことでさ。
 上を目指してる子達は必死なんだ、音大に憧れてる子は多くてね。」
「そう言う背景が有ったとはな。」
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