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バトル-154 [高校生バトル-16]

「三郎、坂田さん夫妻は真面目に働いてくれてる様だな。」
「うん、育児実習に来た梢ちゃんも嬉しそうにしてた、次郎兄さんは坂田さんと話したの?」
「ああ、穏やかな感じでとても娘を殴る様な人には見えなかった。」
「だよね、家庭内にはまだぎこちなさが残るけど、以前の状態に戻りつつ有ると、奥さんが話してくれたよ。」
「金銭面の問題は解決しそうなのか?」
「大丈夫だと思う、当面、高額では無いと言え二人分の給与所得が有るし借金の返済は無理なく計画的に、持ち家を手放してたら家賃負担が有っただろうけど、ぎりぎりその前のタイミングだったからね。
 切っ掛けが無かったら家を売り、そのお金も直ぐに使い切ってしまう様な状態だったみたいだけど。」
「う~ん、貧困問題って実感が湧かなかったけど、坂田さんみたいに周りのサポートを受けられたら自力で抜け出せる人もいるのだな。」
「でも、そのサポートが難しくて貧困層が増えてしまったとお父さんは話してたよ。
 市として出来ることは限られるのだとか。」
「だろうな、坂田さん一家に対して高校生部会でどれぐらいの人が動いたのだ?」
「そうだね、実際のサポートに当たってる人は数人だけど、サポート体制の確立を目指し研究の一環でも有って、バックには百人ぐらいが一家の問題を共有し考えてる。
 今は、自営の仕事が激減して困ってる一家のサポートも始まったところでさ。」
「その一家もチーム妹がらみなのか?」
「うん、この前紹介した景子がね、妹達の親もまた私達の大きな家族の一員だって、僕らの考えをしっかり理解していて自分の言葉で主張してくれたんだ。
 それを受けて仲間の家が困ってると教えてくれた子がいてね。」
「中二にしては頼もしいな。」
「はは、僕の妹だからね。
 そんな考えがチームメンバーの家族にも広がりつつ有ってさ、景子はチームメンバーの条件として人を思いやる気持ちを大切にする事を入れてたのだけど、その条件をクリア出来ると思ってメンバーになった子の親達だから当然なのかもね。」
「そうすると、仕事が激減の自営業者も何とかなると?」
「うん、高校生部会所属の中学生によって構成されるチーム妹は家族を巻き込んでとんでもなく強力な組織になって行くかも知れないんだ。
 景子のお父さん達は娘の兄、つまり僕の親でも有るのだからと情報発信を始めてくれてね。
 この活動が拡大して行くと、反抗期で親離れの時期だから微妙では有るのだけど、チームメンバーと親との関係がより強固なものになりそうでさ、みなさん、市長選の時にはお父さんに一票を投じてくれた人達なんだ。」
「市民の力でこの街をより住み易く、自己中心的に考えるのではなくと言うことだな。
 しかし、そんな組織がチーム妹と名乗る訳には行かないだろ。」
「チーム妹は仮の名だったのがそのまま正式名称になったでしょ、チームお父さんとチームお母さん、チーム姉、チーム兄なんてのが出来て連携して行く構想は有るんだ。」
「党の一般党員も含まれるのだろうな、うん、党員でも私利私欲が先に出てしまう人もいる、チーム妹メンバーの家族なら高校生部会が仕切る組織の方が良いのかも知れない。」
「このまま高校生よりそれ以外の人が多くなっても高校生部会として動くのがベストなんだね。」
「ああ、三郎のファンは女性だけでは無いからな。
 三郎のお父さんが一万人、お母さんが一万人とかなるのかも。」
「僕の両親なら次郎兄さんにとっても両親だよね。」
「あっ、そう言うことだな、目指せ人類皆家族ってとこか。」
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