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バトル-153 [高校生バトル-16]

「三郎、梢ちゃんの件はどう?」
「チームが組まれ動き始めたよ、彼女の両親にはこの集落で働くに当たっての研修と並行して、借金返済に向け借り換えをして負担を減らすことや梢ちゃん達の生活改善を考えて貰ってる。
 今の所生活習慣の改善案を真面目に受け止め転職で失敗する前の生活水準に戻せる様に進み始めてるみたい。
 お母さんも彼らがここで働き始めたら気に掛けてあげてね。」
「勿論よ。」
「梢ちゃんは美香ちゃん達の勧めでイメージチェンジ、髪型を変えて学校の制服も綺麗にね、学校でのトラブルはそんな所に端を発してたみたいなんだ、美香ちゃんとチーム妹メンバーがグループを作りその一員となったことで、いじめを受ける環境ではなくなったと美香ちゃんに教えて貰った、先輩もグループにいるから迂闊に手が出せなくなったとか。」
「そうね、うちに来た時も身だしなみに問題が有ると感じたわ、衣食足りてと言うのはそう言うことなのかもね。」
「美香ちゃんちでお風呂に入れて貰ったり夕食をご馳走になる日も有って顔色が良くなって来たと、あの中学のリーダーから報告が入ってるよ。
 お兄さんの方も家庭が落ち着いて来て家に帰る様になったそうでね、泊めて下さってた友人宅へも両親揃ってお詫びとお礼に伺ったそうだから、良い方向に向かっていると思う。」
「今後の問題はご両親の仕事ね。」
「うん、集落内の掃除や菜園の管理、保育所の雑事が中心になるから、それをどう思うかだね。
 次の就職先を見つけるまでとするのか、長く続けるかは本人任せなのだけど。」
「暴力的な感じはないの?」
「少なくともお酒を飲んでない時は問題ないみたい、飲酒は止められないみたいだけど、あれから梢ちゃんに手を上げることは無くなってるのだから大丈夫…、で有って欲しいね。」
「暫くは見守るしかないのかしら。」
「干渉し過ぎるとマイナスになりかねないでしょ。」
「そうね、その辺りのバランスには気を付けるわ。
 どう、困窮者をサポートする活動は拡大出来そう?」
「梢ちゃんは自分達のことを公表して行くことで、生活に困っている人達が救いの手を求め易くなるので有れば隠さなくて良いと話してくれてね。
 名前は出さずに実話に基づいたドラマ作品をチーム妹で制作する方向で動き始めてる。
 出演はチーム妹メンバーと、その家族や高校生部会の有志、脚本作りに挑戦したいと言う人も何人かいてね、全員がボランティアで、もし収益が出たら全額生活困窮者支援にと。
 家族の中には元演劇部とか役者を諦めてと言う人もいて、集まって相談する日程と会場を調整してる段階なんだ。」
「そこでも盛り上がって欲しいわね、でも、寄せ集めだと芸風が違ったりして揉めそうじゃない?」
「作品は一本に絞る必要ないし、作品の視聴回数が伸びなかったとしても誰も困らない。
 一応生活に困ってる人の目に触れる様にし、公的な援助を紹介する内容も含めるけどね。」
「困ってる人が見て参考になるドラマか…、支援の仕方を考えると言う側面は?」
「そうだね、その辺りは脚本担当と相談してみるよ。」
「三郎は出演するの?」
「自分役で出て欲しいと言われてる、お母さんも自分役で出る?」
「ドラマ女優か…、大根は足だけにしろって言われないかしら?」
「普段の生活をそのまま録画しドラマのシーンに組み込む、セリフの有る時は後ろ姿、声は声優に任せると言う裏技を今思い付いたけど、どう?」
「少なくとも動きはリアルってことね、一応セリフにも挑戦してみたいけどダメダメだったらそれでお願いしようかな。」
「市議会議員選挙に向けての布石にもなるからね。
 登場シーンは多く無くても市長夫人が参加となれば話題にもなる。」
「市長は登場しないの?」
「もう、承諾済だよ。」
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