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バトル-150 [高校生バトル-15]

「ねえ、私達が昨夜からずっと女子会をしていた間に、お兄さまは梢ちゃんの両親やお兄さんのことで動いていたのでしょ、そちらはどうなったの?」
「これからの状況次第だけど、市の高校生部会でサポートチームを組む予定だよ、高校生だけでなく貧困対策を検討してたチームや教育関係のチームなどから大学生や大人にも参加して貰ってね。
 もし梢ちゃんのお父さんが暴力を振い続ける様なら児童相談所に通報することになるけど、ホントに反省して真面目に働いてくれるので有れば借金の整理、返済についてのアドバイスをし、生活の支援を考えて行くことになる。お母さんやお兄さんに対するケアもね。」
「もしかして大勢の人が動くとか?」
「多分ね、僕らにはまだ理想のサポート体制と言うのが見えていない、そうだな景子ちゃんが梢ちゃんに話したみたいに、これからサポートして行く人達の為の参考にさせて欲しいと話して協力して貰うと言う形が一番良いのかも知れないな。」
「形の上だけでもギブアンドテイクなら、気持ちが少しは楽になると言う事ね。」
「雅もうちへ来た時には面倒を見て貰うだけでは駄目だと思って、お手伝いを始めてくれてたのだろ。
 あの頃は無理してなかったのか?」
「何もしてないと嫌なことばかり考えてしまうと言うことが有ったかな、でもすっかりお手伝いが楽しくなってね、ここでは誰も私のことを子ども扱いしないで接してくれるでしょ。
 それって子どもにとって一番嬉しいことじゃない。」
「あっ、そうだよな、学校の先生でも子どもの気持ちを考えてくれない人がいた…。」
「でしょ、美香ちゃん達の担任もそんな先生みたい、だから先生に頼ることは考えなくて景子さんに相談したのだって。」
「そう言う事か、状況を見て学校サイドとも話をと考えてたけど後回しで良いみたいだな。」
「詩織は先生と良く話すって言ってたのよ、随分違うみたいね。」
「へ~、先生と何を話してるだろう。」
「ふふ、先生はお兄さまのファンでミュージカルも欠かさず見てるそうよ、英語の先生で授業の参考にもしてるのだとか。」
「それは光栄だな。」
「生徒に学生時代の失敗談を話してくれる様な人で人気者なんだって。」
「そうか、雅もそんな先生の授業なら受けてみたいか?」
「う~ん、少し興味は有るけど、詩織が中一の授業は物足りなさ過ぎるって言ってたでしょ。
 私達、英会話のレッスンを受けてるし。」
「そっか、それでも詩織と仲が良いのなら話してみたくないか?」
「お兄さまのファンだものね。」
「そう言う感じではなくてさ、学校の先生がどんなことを考えてるのか知りたいと思わない?」
「う~ん、他の先生には全く興味が湧かないけど、詩織と仲良しの先生なら話してみたいかも。
 それで、何を企んでるの?」
「企んでると言うほどのことではないが、雅にはすぐばれてしまうな。」
「えっ、顔に企んでますって漢字で書いてあるじゃない。」
「そ、そんなばなな。」
「おしい、もう一ひねり欲しいところね。」
「はいはい、もう少し修行するよ。」
「それで?」
「生徒が全く信用してない教師と、生徒とフレンドリーな関係を築けてる教師、その差を分析したいとは思わないか?」
「そうね、分析するのは面白そうだけど、生徒に信用されてない教師とは同じ時間を過ごしたくないから比較研究はパスしたいかも。」
「雅に関係した先生達はそんなにひどかったのか?」
「まあね、私のことをやくざの娘って話してるのを偶然耳にしてしまったことが有ってね、陰口は本人に聞こえない所でして欲しかったかな。」
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