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バトル-149 [高校生バトル-15]

「雅、お疲れ様、梢ちゃんはどうだった?」
「家庭の問題だから誰にも相談出来なくて辛かったって、お父さんが怒りっぽくなっただけでなくお母さんも情緒が不安定になってるみたい。
 美香ちゃんがあざに気付いて声を掛けてくれ、始めは迷ったけど思い切って打ち明けて良かったと話していたわ、段々家の中が荒れて来て不安しかなかったそうでね、お兄さんは友達の家で寝る様になって帰って来なくなったとか。」
「そうか、梢ちゃんにはそう言う逃げ場もなかったのだな。
 雅は気持ち的にどうだ、嫌なことを思い出しただろ。」
「もう大丈夫よ、すっかり昔の話だもの。
 他人の過去を語る様な感じで、梢ちゃんに話したわ、如何にして怒らせないか考え抜いていたこととかね。」
「有難うな、梢ちゃんも辛いのは自分だけじゃないって思ってくれただろう。」
「うん、今後何か有ったら直ぐに電話してねって話しておいたよ。
 チーム妹のメンバーになるのはハードルが高いと思っていたそうだけど、立派な妹になれる様、頑張ってみるって。
 景子さんが家庭に問題の有る子をサポートして行く話も含めて今の取り組みを説明したの。」
「そのままサポート対象だな。」
「ふふ、もうサポートは始まってるものね、お金の問題も一緒に考えて行こうって。
 ずっと欲しい物を買って貰えなかったけど、自分で稼ぐなんてことは考えなかったみたい。
 でも私達がYouTubeに出てる報酬で真愛ちゃん達にプレゼントしてる話をしたら、興味を持ってくれたんだ。」
「それなら、チーム妹メンバーとして、サポート作戦の第一号と言うことになるのかな。」
「うん、そんな感じだけど景子さんは梢ちゃんに対してね、梢ちゃんの為ではなく家庭に問題の有る子達をサポートする為に、その体制を作って行く作業に協力して欲しいと話してたの。
 手伝って欲しいことだけでなく、余計なお世話だと感じたことも話してねって。」
「あっ、その方が気持ちの負担が軽くなり、ただサポートされてるより良いかも、さすが景子ちゃんだな。
 梢ちゃんのサポートについて他にも具体的な話をしたのか?」
「梢ちゃんは美香ちゃんがいじめられる可能性を話してくれ、美香ちゃんに謝ってた。
 梢ちゃん自身の心も荒んでいてクラスの子達と上手く行ってなかったみたいでね。
 それで、景子さんは同じ中学のチーム妹メンバーに呼び掛けることにしたの。
少しいじめの対象になってた梢ちゃんと、これからそうなりかねない美香ちゃんをクラスや学年が違っても気に掛けて欲しいと。」
「そうか、美香ちゃんは勇気を出して梢ちゃんに話し掛けたと言うことなのかな?」
「うん、梢ちゃんが嫌がらせを受けても、今まで助けて上げられなくて御免ねって言ってた、美香ちゃん恰好良いよ。
 そんな美香ちゃんがいじめの対象になりそうな雰囲気の有るクラスってね…。」
「そこをチーム妹でカバー出来るかどうかと言うことなのだな。」
「うん、美香ちゃん達の中学にはチームメンバーが二十人ぐらい、クラスも学年もバラバラで今はメンバー間の繋がりが弱いの、でも景子さんと電話で話した学校リーダーは、この機会を利用してメンバー間の絆を深めたいと話していたそうよ。」
「二十人ぐらいなら一度うちに来て貰って話を聞いてみたいものだな、僕の通ってた中学とは雰囲気が随分違うみたいだから。」
「ふふ、そうやって会って行かないと、お兄さまは自分の妹達と話せないものね。」
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