SSブログ

バトル-144 [高校生バトル-15]

「焼き鳥ではなく野鳥観察バトル、そんなのが高校生バトルとして成立するのか?」
「次郎兄さん、ふと思ったのはね、人は趣味に関して財布の紐が緩み易く手間暇が掛かることでも厭わないと言うことなんだ。
 早い話、野鳥辞典的なサイトをYouTube上に構築していくのに大した予算は必要なく、その収益で野鳥にとっての環境を整えることが出来たら、花の街の次に野鳥の楽園を、ここだけでなく日本中にね、絶滅が危惧されてる野鳥の保護も手伝えないかと思ってさ。」
「YouTubeを利用した野鳥のサイトを、野鳥の会の会員とかが撮影した写真や映像を使って構築すると言うことか。
 YouTubeの可能性は考えていたが、そう言う人の動かし方も有るのだな。
 著作権と、お金の流れをクリーンにしないとトラブルになるだろうが、俺たちは全てオープンにして来た、その流れで何とかなるか。」
「僕が小っちゃかった頃、お兄ちゃん達と遊びに行った池でカワセミを見つけてさ、興奮を抑えてダイビングする様を見てたよね。
 そんな経験を今の小学生達にもして欲しいし…、兄さん、うちの集落にも色んな野鳥が来てるって知ってた?」
「うっ、最近はそう言ったことに目が行ってなかったかも。」
「兄さんは事業拡大ばかり考えてるけど、それぐらいの余裕がないと足元をすくわれるよ。」
「そうだな、せっかく環境の良い所に居を構えたのに風景も見慣れてしまった感が有って、観察する心が人ばかりに向いていた。
 もう一度周りの自然にも目を向けてみるよ。
 それで、野鳥観察バトルはどんな展開を考えているんだ?」
「とにかく野鳥を写真や映像で紹介したいから、その為の写真や映像作品で勝負。
 希少な鳥ならポイントが高いとか、生態が分かり易い映像に賞を贈るとか。
 渡り鳥の目撃情報が増えたら野鳥研究にも貢献出来るでしょ。」
「高校生バトルと言っても高校生の参加は少なそうだな。」
「一応、高校生部会で発信してみたら、多くは無いけど反響は有ったんだ。
 でも党の活動には馴染まないから会社主催の方が良いと思う。
 今回も高校生から始めて大きく広げて行く形。
 うちの高校にも野鳥の会のメンバーがいてね、その彼女が企画の核となるスタッフメンバー募集を考えてくれてるよ。
 野鳥の会にも協力を要請してみるとか。」
「へ~、頼もしい子だな。」
「まあ、彼女には下心が有ってね、将来、野鳥の保護に関連する仕事に就きたいのだとか。」
「はは、企画が順調に拡大したら、会社の担当部長と言う可能性も有ると考えたのかな。」
「いや、それは僕から話した。
 今後の展開によっては高校生社員として働く道も有るからとね。
 大輔さんとも高校生社員の可能性を話し合って来たでしょ。」
「そうだな、どんな形で有れ色々経験して貰おう。
 先々全国展開になって行くとして、野鳥観察だと都会を除外することになるのか?」
「そんな必要はないよ、少し調べてみたのだけど都会でも色んな野鳥が見られるんだ。
 その気になって注意してないと身近にいても見逃してしまうけど、鳴き声でアピールしてくれるとかでね、公園で野鳥を目にすると癒されると書いてる人もいた。
 たまに野生の動物が思わぬ場所に現れ人気者になることが有るでしょ。
 檻の中ではなく自由に飛び回る野鳥に都会の公園で出会うとワクワクするのだ思う。」
「動物園では動物が狭い所から出られなくて同情したくなるものな、でも動物園なら動物の名前がすぐ分かる、野鳥を見かけても名前が分からないともどかしくないかな?」
「野鳥の会の子と目論んでるのは鳥の名前を検索出来るシステムでね、季節ごとに鳥の大きさで分け、日本で見られる野鳥の写真を連続して見比べることの出来る映像を制作するんだ。
 雀ぐらいの大きさの野鳥を見つけて、その名前を知りたくなったら、秋、雀ぐらいの大きさって動画を見ると沢山の写真が映し出されて行く、同じ鳥で撮影条件が違うものも幾つかね、その中でお目当ての野鳥を探し出すのだけどYouTubeなら再生速度が変えられると言う利点が有る。
 そのリストでこれだと思ったら、種類毎に沢山の写真をまとめた動画で確認出来るシステムを考えていて、野鳥の姿から名前を探し出すシステム構築に成功したら、野鳥ファンはきっと増えると思う。」
「そして自然を大切に思う心が養われると言うことか。
 花を愛し鳥を愛す、そんな心を育てる教育環境を作りたいし…、小鳥たちが自由に飛び回る環境を守って行くのも俺達の役目だな。」
nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 9

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。