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バトル-132 [高校生バトル-14]

「お兄さま、チーム妹の一般募集はどういう形になるのですか?」
「詩織は高校生部会で使ってるシステムのことは知ってる?」
「存在は知ってますが、その内容までは。」
「例えば…、高校生部会では公園の草刈りをしてるだろ、その参加者募集は全てネット上で完結させてるんだ。
 ポイントは作業内容を動画で確認出来ると言うこと。
 これが結構重要なのは、前もって何をするのかが分かっているから安心して申し込めるから。
 漠然と草刈り作業と募集しても、鎌を使った草刈りをイメージしたら、挑戦しようとは思わないだろ。
 でも自分が使ったことの無い草刈り機を、まず使い方の講習を受けるところから始め、刈り取った草の運搬と交代しながら作業、適度な休憩、給水などをサポートする係の存在を知ればやってみようかとなる。
 運搬作業も少しコツが必要で面白いんだ。」
「そんなコツも動画で?」
「ああ、作業内容を紹介する動画は何故か一般にも好評で閲覧数が伸びていてね。」
「お兄さまが出演してるからでしょ?」
「それは関係ないと思う、それでね、我らが社長、親父さんがその動画を見て自社の求人にも取り入れたいと話してたんだ。」
「え~っと、今まではよく分からずに応募する人がいたとか?」
「うん、簡単な求人広告を見て面接を申し込むのは普通みたいだよ。
 でも、当然の様に、思ってたのと作業内容が違うと言うことは有ってさ。
 動画で作業内容を紹介すれば誤解されにくいし、漠然と募集するのでは無く主な担当作業を指定しての募集になるから入社してから戸惑うことが減らせそうなんだ。」
「そっか、チーム妹でも、何をするのか具体的に紹介して募集するのね?」
「そう言うこと、第一期の募集では、秋の市民祭に向けてステージでダンスをする人、裏方で支えるスタッフ、合唱団、それとチームの運営スタッフを想定していてね。
 始めから詳しい動画は作れないが、ダンスの振り付けが決まり次第それもアップして行く。
 市民祭後、その役目を終えた人達もそのままメンバーでいて貰うのだから、市民祭終了後の第二期募集では特に担当を持たない人も募集する。」
「中学生部会の立ち上げに向けてと言うことなのね。
 募集も応募もネットだけで?」
「ああ、紙の申込書は一切使わないし、ポスターも貼らない。
 僕らのメインチャンネルで少しだけ宣伝して反応を見ようと思ってる。」
「対象は市内在住の中学生だけよね?」
「第一期は秋の市民祭に向け、準備から参加出来る中学生を募集、市内在住は条件にしないことにしてる、高校生部会もそうだし、中学生部会が立ち上がったら周辺の市にも広げて行きたいからね。」
「近ければ問題無いってことか。」
「景子リーダーは、将来的に他県の中学生とも交流出来る企画を考えたいと話してたよ。
 高校生部会は全国組織だから、それに倣ってね。」
「さすが景子先輩だな。」
「うん、彼女は詩織が話を持ち掛けてからの判断も行動も早かった、直ぐにメインスタッフのチームを組み上げて役割分担を済ませてくれたよ。」
「ふふ、憧れの三郎お兄さまと共に働けるのですからね。
 先輩は私が中学に入学して直ぐに話し掛けてくれ、中学生部会の話も先輩から言われたのですよ。
 チーム妹の話をした時なんて、もう、盛り上がり過ぎてしまい、リーダーになればお兄さまと話す機会が増えるだろうからと。」
「はは。」
「景子先輩も大切にしてあげて下さいね。」
「ああ、頼りにしてるし、数学の質問に応えたりもしてるよ。
 チーム妹のシステム構築では、高校生スタッフから彼女に課題が出されているしね。」
「システム構築には高校生が関わっているのですか?」
「関わると言うか今回はメインで作業に当たってる、専門家の指導を受けながらだけど。」
「システムを組むのって簡単な作業ではないですよね、お父さんが作業してる画面なんて、見ててもさっぱり分からないのですよ。」
「だろうな、高校生部会では部会が立ち上がって直ぐにシステムエンジニアを目指す人達が開発実習チームを組んでね、佐伯さんや一郎兄さん達に助言して貰いながら高校生部会のシステムを組んで来たんだ。
 始めの内は難しいし慣れなくて時間が掛ったのだけど、大学生のサポートも有りスキルが上がっている。
 今は百人ほどの高校生が情報を共有し分担して作業に当たり始めていて、まあ、景子ちゃんが可愛いからかみんな張り切ってるよ。」
「地元にそれだけ優秀な高校生がいるってことですか?」
「いや、全国から参加してくれてる、ネット環境が有れば問題ないからね、チーム妹のシステム構築を成功させて、プロへの足掛かりにしたい人ばかりだよ。
 みんな一流大学を目指してるけど、大学より生きた学習が出来ると考えていてさ。」
「学習と言っても時間が掛りそう、皆さん、ボランティアなのですよね。」
「今は学習の要素が強いからな、でも、チーム妹も含めて考えてることが有ってね。」
「それは秘密なのですか?」
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