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バトル-131 [高校生バトル-14]

「三郎、今日は歌の練習、人数が少ないのね。」
「うん、今はパート練習をしててね、ソプラノは詩織んち、メゾは一郎兄さんちでやってるんだ、因みに光くん達は次郎兄さんちに居る、終わったらみんなうちに来て、少し全体で合わせてから解散だけど、今日は二人が雅の部屋に泊まって行くから、母さんは晩御飯の準備を見てて上げてね。」
「了解、彼女達の調理実習を見守るわ。
 どう、雅は楽しいって言ってたけど、中学生との交流に問題はなさそう?」
「雅は年上ばかりだからか安心してるみたいだよ。
 合唱団に参加してる子たちは詩織の事情を知ってるし、人として格好の良い大人になることを目指して貰ってるからね。」
「チーム妹の参加条件だとは聞いてるけど…、そうね、確かにこの前料理に取り組んでた子達は良い子だった、三郎に食べて貰えるのだからと張り切ってたわよ。
 今日の子達もかしら?」
「はは、多分ね、それぞれ自宅で作ってみたと話してた、メニューは雅と三人で考えたとかでね。
 詩織とこっそり進めてる、雅に友達百人出来るかな作戦は今の所順調なんだ。」
「明るい子ばかりだものね、まあ、三郎効果も有るのでしょうけど。」
「いや、僕に関係なく良い子ばかりだよ、やはり類は友を呼ぶんだ、中学の合唱部でも真面目に取り組んでた子しか来てなくてね。
 チーム妹のリーダーも参加条件を緩くすると人数ばかりが増えそうだから、少し厳しめにしたいと話してた。」
「ふふ、三郎の妹は何人ぐらいのなるのかしら。」
「う~ん、ホントは真面目じゃない子も受け入れて行くべきなのだけど、今は中学生部会設立を意識してるから、それでも数十人規模にはなりそうだと聞いてる、詩織の中学だけでね。
 他の中学からは全く読めなくて、ゼロかも知れないし、それなりの人数になるかも知れない、その中で合唱団への所属を考える子がどれぐらい居るのかもね。」
「合唱団への参加はチーム妹への加入が条件なの?」
「第一期はね、まとめ役をお願いした二年生の子は、僕のファンで固めれば団結心が強くなると言ってたよ。」
「なるほどね、そのまとめ役が滝山さん?」
「いや、そっちは合唱部の副部長をしてた子にお願いして、滝山さんは歌に専念して貰うんだ。
 彼女と瑠衣ちゃんはミュージカルの新シーズンに出演して貰うからね。」
「契約条件とかは調整出来たの?」
「うん、それぞれの親御さんはギャラなんて要らないと話されたのだけど、プロとしての自覚を持って欲しいと言う意味合いも有ると話させて頂いてね、今まで彼女達が師事して来た先生方も、これからはこちらからお願いすると言う形にして貰ったんだ。
 力の有る先生だと言うことは彼女達の歌を聴けば分かるからね。」
「報酬を安くし過ぎない妥当な条件になった?」
「だと思う、ひとまず新シーズンに出て貰い、その状況を見て次の契約を考えることにしたよ。」
「そうね、始めからの長期契約は互いに不利益をもたらしかねないわ。
 二人の中学生は契約を決めてどうだったの?」
「さすがに緊張してたかな、でも、瑠衣ちゃんはいきなりアカペラでの歌唱を振られても堂々と歌える子、滝山さんはプロ志望で合唱部の指導をしていた子だからね。
 合唱団とは別のレッスンも日と場所を合わせて貰ったのだけど、瑠衣ちゃんにとっては英語の歌と言うことでハードルが高いかと思ってたら、直ぐにお手本を完コピして来てね。
 それを聴いて指導の先生方も本気モード、ミュージカルのキャスト全員に喝を入れ直し、新シーズンは今まで以上の作品に仕上げようってね。」
「あら、三郎も大変になるんだ。」
「はは、今までだって手加減抜きだったから変わらないよ、ただ、全体が少し守りに入り始め上を目指した挑戦が出来て無かったかもって。」
「新しい中学生キャストが全体に刺激を与えるのね。
 詩織と雅はどうなるの?」
「歌と英語の特訓中と言う設定でセリフを頑張って貰う。
 その設定で聴いて貰うには充分なレベルで歌える様になったからね。」
「上手過ぎたら、特訓中と言う設定が崩れてしまうのかしら。」
「今後の伸び方によって、その特訓中の期間が決まって行くのだけど、その辺りは事実に忠実、わざと下手に歌って貰うことは考えてないんだ。」
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