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バトル-127 [高校生バトル-13]

「中学生部会の立ち上げ前に、その準備組織としてチームを組んでみるのは良いかもな。
 活動内容にもよるけど、立ち上げの資金ぐらいは出せる、事務的な事は高校生や大学生のスタッフに手伝って貰おう。」
「お兄さま、やはりYouTubeにチャンネルを開設しますか?」
「そうだね、出たくない子もいるだろうから、出演の強制は無しだよ。」
「チームを組んでミュージカルへの参加と言うのはどうでしょう?」
「瑠衣ちゃん、英語の歌で、それなりのレベルが要求されるけど大丈夫かな。」
「聴いて下さる人数が桁違いに多いのですものね、可能なら一切妥協しないで取り組みます。」
「チャンネルが増えてるからキャストも増やして行く方針でね、真剣に取り組んでくれるのなら大丈夫だけど、ギャラやレベルの問題が有り小編成になる、ソロを歌える子はどう?」
「滝山先輩かな…。」
「瑠衣もでしょ、一度お兄さまに聴いて頂いたら?」
「えっ?」
「そうね、瑠衣の歌に真愛ちゃんと光くんがどんな反応をするのか見たいかも。」
「アカペラでってこと?」
「練習してる曲が有るのなら僕も聴きたいな。」
「お兄さま達のミュージカルに憧れて歌い込んでいる曲は有ります…、でも真愛ちゃん達に泣かれてしまったらどうしましょう。」
「じゃあ、泣くまで歌うってどう、泣かなかったら最後まで。」
「瑠衣、お兄さまと真愛ちゃん達に聴いて貰おう、がんば!」
「う、うん、お兄さま下手でも笑わないで下さいね。」
「出だしのキーは大丈夫?」
「ええ….。

 Somewhere over the rainbow ♪
 Way up high ♪
 There’s a land that I heard of… ♪」

「瑠衣ちゃん凄く良かった、本格的に練習してるのだね。」
「きちんとしたレッスンを受け始めたのは中学になってからで、まだまだです。
 お兄さまに憧れ、英語の曲を歌いたくて始めたのですが、まだレパートリーが少なくて。」
「これだけ歌えるのなら、僕らのミュージカルに参加して欲しい、涼子ちゃんはどうなの?」
「私はまだ全然です、発声とか難しくて瑠衣みたいには歌えません。」
「合唱部の指導は?」
「先生はあまり熱心ではなくて、先輩に教えて貰ってます、力の有る先生はうちみたいな弱小合唱部に興味が無いとか…。」
「ふむ、僕も真子も合唱部には関わって無かったから良く分からないけど…、君たち三人は合唱部の部員として不満が有るのかな?」
「はい、合唱コンクールで金賞を取った中学と私達の部ではレベルが違い過ぎまして。」
「では、中学の合唱部を乗っ取るのと、別で立ち上げるのと、どっちが良い?」
「どういう事ですか?」
「こちらで手配して合唱部に指導者を送り込むか、新たな合唱団を立ち上げるか、両方と言うのは指導者の問題が有るかな。」
「え~っと…、目標をどこに置いてどの程度のレベルを目指すとか…。」
「そうね、ただ楽しむのか、少しぐらい厳しくても上を目指すのか、合唱部の中でも考えが分かれてるみたいなのです。
 滝山先輩は上を目指したくて基礎練習を重視したいのですが、それだと部員が減りそうで。」
「こちらとしては中学の合唱部がどうなろうと構わないんだ、合唱コンクールにも興味は無い。
 ただ、ミュージカルや市民祭で、素敵な歌声を披露してくれる合唱団が有ったら精一杯応援するってとこかな、合唱は吹奏楽部と違って楽器にお金を掛ける必要が無いから費用も軽く済むだろ。」
「ねえお兄さま、保育所にはピアノを置くのですよね。」
「うん、多目的ホールに…、そこを合唱団の練習場にするとか?」
「詩織、私達の歌声を聴いてちっちゃい子達が泣き出さないかしら?」
「大丈夫よね、雅?」
「涼子さん、私達、子守しながら歌ってるのですよ。
 上を目指すなら赤ちゃんが泣き出すような歌では駄目ですよね。」
「子守歌替わりとか?」
「子守歌の真逆、安眠を妨害する様な歌にも反応してくれる様になりましてね、さっきの瑠衣さんの歌、二人とも好きみたいでしたよ。」
「雅ちゃんには、そんなことも分かるの?」
「はい、勿論です。」
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